都道府県を選択して、裁判官を探すことができます

全国 2522 人の裁判官3138 件の口コミ
知財

特許権侵害損害賠償請求事件

判決データ

事件番号
令和1ワ32239
事件名
特許権侵害損害賠償請求事件
裁判所
東京地方裁判所
裁判年月日
2022年6月30日
裁判官
小口五大稲垣雄大小口五大

AI概要

【事案の概要】 本件は、「携帯情報通信装置及び携帯情報通信装置を使用したパーソナルコンピュータシステム」に関する特許権(特許第4555901号)を有する原告(情報処理・通信システムの考案・開発等を目的とする株式会社)が、被告(シャープ株式会社)に対し、被告が製造販売したスマートフォン7機種が本件特許の技術的範囲に属すると主張して、主位的に不法行為に基づく損害賠償(特許法102条3項の実施料相当額)として、予備的に不当利得返還請求として、それぞれ7億2000万円の一部である3000万円及び遅延損害金の支払を求めた事案である。 本件特許は、携帯電話機等の携帯情報通信装置において、付属ディスプレイの画面解像度が小さいという制約を克服するため、外部ディスプレイを接続して付属ディスプレイより高解像度の画像を表示する技術に関するものである。被告各製品は、モバイルプロセッサ(Qualcomm製Snapdragon等)を搭載したスマートフォンであり、MHL端子を介してHDMI接続による外部表示機能を有していた。被告は平成24年頃から平成26年頃までの間に被告各製品を製造販売し、その売上高合計は約819億円に上った。 【争点】 主な争点は、(1)被告各製品が本件発明の構成要件を充足するか(グラフィックコントローラの存否、データ処理手段における「処理」の充足性、高解像度画像データの処理方法の異同、「単一のVRAM」の充足性)、(2)無効の抗弁の成否(先行公報に基づく新規性・進歩性欠如、明確性要件違反、サポート要件違反、訂正要件違反の計6つの無効理由)、(3)損害額、(4)消滅時効の成否であった。 【判旨】 裁判所は、被告各製品が本件発明の技術的範囲に属すると認定した。まず、被告各製品のモバイルプロセッサに内蔵されるGPUはグラフィックコントローラの機能を有しており、中央演算回路とグラフィックコントローラが物理的に分離している必要はないと判断した。また、構成要件Dの「処理」は明細書に記載された「適切に処理する」ことに限定されず、被告各製品の補間処理や間引き処理を含む処理方法も構成要件Hを充足するとした。「単一のVRAM」についても、複数のチップがパッケージ単位で一つの部品として扱われている限り充足すると認めた。 被告が主張した6つの無効理由(先行技術に基づく新規性・進歩性欠如、明確性要件違反、サポート要件違反、訂正要件違反)はいずれも認められなかった。消滅時効の抗弁についても、被告各製品が本件発明の技術的範囲に属することを原告が認識していたとの立証がないとして排斥した。 損害額については、特許法102条3項に基づく実施料相当額を算定し、実施料率を0.01%と認定した。その理由として、原告に実施許諾の実績がないこと、スマートフォン業界では一つの製品に膨大な特許が関係するため1件あたりの料率は低くなること、本件発明は外部表示機能の実現に必須のものではなく代替可能性があること等を考慮した。売上高合計約819億円に0.01%を乗じた819万9458円の限度で請求を認容した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。