入札談合等関与行為の排除及び防止並びに職員による入札等の公正を害すべき行為の処罰に関する法律違反、公契約関係競売入札妨害、加重収賄、贈賄
判決データ
AI概要
【事案の概要】 沖縄県八重山郡a町の町長であった被告人Aが、同町発注の海底送水管更新工事2件(平成29年度・令和2年度)の指名競争入札に関し、海洋構造物建設等を業とするF株式会社の代表取締役である被告人B及び同社の下請業者である被告人Cらと共謀し、入札の最低制限価格をF社側に漏洩して同社に落札させた官製談合事件である。被告人Aは、1件目の工事では最低制限価格(約8億4943万円)を被告人Cに電話で教示し、F社に同額で入札・落札させた。2件目の工事では、飲食店で被告人Bに最低制限価格(約6億7288万円)を記載した書面を交付し、F社にほぼ同額で入札・落札させた。さらに、これらの職務上不正な行為の謝礼等として、被告人Bから合計1700万円の賄賂を収受した。被告人Bは被告人Cと共謀して合計700万円を供与し、被告人Cは被告人Bと共謀して200万円の供与に関与した。罪名は競売入札妨害及び加重収賄(被告人A)、贈賄(被告人B・C)である。 【判旨(量刑)】 裁判所は、本件を「官民の不正な癒着」と位置づけ、町長の職務行為の廉潔性や入札制度の公正性を蔑ろにし、社会の信頼を大きく失墜させたと厳しく評価した。被告人Aについては、町議会議員時代から業者の接待を受け、町長就任後に躊躇なく最低制限価格の教示に応じたこと、収受した賄賂が合計1700万円と高額であること、現職町長の立場を悪用して犯行を繰り返した刑事責任は重く実刑は免れないとした。一方、事実を認めて反省し、町への寄附や退職金の返納申入れ・供託を行った点を考慮した。被告人B・Cについては、下請け・孫請けとして利益を得たいという利欲的な動機に酌量の余地はなく、単なるパイプ役にとどまらない役割を果たしたとしつつ、事実を認めて反省している点等を考慮した。被告人Aを懲役3年6月(実刑・追徴金1700万円)、被告人Bを懲役3年(執行猶予4年)、被告人Cを懲役2年(執行猶予4年)に処した。