AI概要
【事案の概要】 原告(元プロテニス選手・会社経営者)が、被告(株式会社講談社)に対し、被告発行の雑誌に掲載された記事が原告の名誉を毀損し、掲載写真が原告の肖像権及び著作権を侵害するとして、不法行為に基づき損害賠償金660万円(名誉毀損400万円、肖像権侵害100万円、著作権侵害100万円、弁護士費用60万円)及び遅延損害金の支払を求めた事案である。本件記事は、原告がプロ野球グッズへの出資名目で知人から約2億8000万円を詐取したとされる経緯等を報じたものであり、原告はその後詐欺罪で有罪判決が確定している。 【争点】 ①記事掲載による名誉毀損の成否(社会的評価の低下、公共性・公益目的性、真実性・真実相当性)、②肖像権侵害の成否、③著作権侵害の成否、④消滅時効の成否、⑤損害額。 【判旨】 請求棄却。裁判所は、まず名誉毀損について、記事の各記載が原告の社会的評価を低下させるものであることを認めた上で、原告が元プロテニス選手として社会的地位を有しており、虚偽の事実を述べて出資させたという社会的に強い非難の対象とされる行為を報じるものであるから、公共の利害に関する事実に係り専ら公益を図る目的に出たものであると判断した。真実性についても、証人尋問や録音記録等の証拠から、原告がプロ野球球団等に請求書を送付していないことを認めた上で詐欺と言われても仕方がない旨認めたこと等の各記載が真実であると認定し、違法性がなく不法行為は成立しないとした。肖像権侵害については、本件写真は公的領域で撮影されたもので原告を侮辱するものでもなく、原告のブログで公開されていた写真であったこと等から、社会通念上受忍すべき限度を超えるものではないとして侵害を否定した。著作権侵害については、写真の著作権が原告に帰属する事実を認めるに足りる証拠がないとして否定した。