損害賠償等請求事件、売買代金返還請求事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 木材用乾燥機(バイオ乾燥機)の研究開発・製造・販売等を行う原告会社が、住宅建築資材の販売等を行う被告会社に対し、①バイオ乾燥機に関する営業秘密を被告が不正に取得・使用したとして不正競争防止法及び不法行為に基づく損害賠償1650万円、②売買契約に基づく特殊加工内装板の未払代金165万円の支払を求めた(第1事件)。一方、被告は原告に対し、基本合意の合意解約及び売買契約の債務不履行解除に基づく不当利得返還として、支払済み内金合計621万円の返還を求めた(第2事件)。原告と被告は、平成31年3月にバイオ乾燥機導入の基本合意(代金900万円)を締結し、被告が内金243万円を支払った。その後、令和元年8月に改めて売買契約(代金1620万円)を締結し、被告が内金540万円を支払ったが、原告は内装板1式のみ納品し、乾燥機本体を納期(令和元年10月末)までに納品しなかった。被告は催告の上、内装板を除く部分について売買契約を解除した。 【争点】 ①原告主張の情報が不正競争防止法上の「営業秘密」に該当するか、②被告による不正競争行為の成否、③不法行為の成否、④損害額、⑤内装板代金の支払の有無、⑥基本合意の合意解約の有無、⑦売買契約の債務不履行解除の成否。 【判旨】 原告の請求をいずれも棄却し、被告の請求を全部認容した。争点①について、裁判所は、原告が営業秘密と主張する各書面のうち一部には「極秘資料」「秘密情報」の記載があるものの、それらの記載がされた時期を認めるに足りる証拠がなく、原告から被告に送付された同様の書面にはこれらの記載が存在しないことから、情報が秘密として管理されていたとは認められないとして、営業秘密該当性を否定した。不法行為の成否についても、被告の行為により原告の権利等が侵害されたと認める証拠がないとした。争点⑥について、原告が被告に送付したメールに基本合意解約の趣旨が明確に記載されていたこと等から、合意解約の成立を認めた。争点⑦について、債務不履行解除の成立を認め、被告の不当利得返還請求(合計621万円)を認容した。