損害賠償等請求控訴事件
判決データ
- 事件番号
- 令和3ネ2859
- 事件名
- 損害賠償等請求控訴事件
- 裁判所
- 東京高等裁判所
- 裁判年月日
- 2022年7月21日
- 裁判官
- 石井浩、石井浩
- 原審裁判所
- 東京地方裁判所
AI概要
【事案の概要】 全学連(全日本学生自治会総連合)の関係者である個人原告ら5名及び全学連が、平成28年9月に東京都中央区の区民館で開催された全学連第77回定期全国大会の際、警視庁所属の警察官らにより無許可の写真撮影等の違法な視察活動や暴行を受けて精神的損害を被ったと主張し、東京都に対し国家賠償法1条1項に基づき、警察官個人らに対し民法709条等に基づき、各200万円の損害賠償を求めた事案の控訴審である。原審は、個人原告らの東京都に対する請求を各20万円ないし30万円の限度で一部認容し、その余を棄却した。双方が控訴した。 【争点】 (1) 警察官らによる視察活動の違法性の有無、(2) 個人原告らに対する有形力の行使(フードやマスクをずらす行為、身体の制止行為等)の違法性の有無、(3) 全学連に対する大会妨害の有無、(4) 損害の有無及び額。 【判旨】 控訴審は、原判決中の東京都敗訴部分を取り消し、原告らの請求を全部棄却した。裁判所は、大会参加者がヤッケのフード・帽子・サングラス・マスク(3点セット)で容貌を隠して会場に来場する行為は警職法2条1項の「異常な挙動」に該当し、過去に全学連の集会に指名手配犯が参加した実績や、大会当時も逮捕状発付済みの中核派活動家が多数いたことから、職務質問の要件を充たすと判断した。警察官らがフードやマスクをずらして容貌を確認しようとした行為は、職務質問に付随する有形力の行使として相当な範囲内であるとした。また、原告らが警察官の腕を掴んで押す、頭髪を掴んで引きずる、膝蹴りをする等の行為に及んだことについて、これらは公務執行妨害罪に当たるか又は同罪に発展するおそれがあるとし、警察官らの制止行為は警職法5条の制止行為として必要かつ社会通念上相当であると認定した。