懲戒免職処分取消等請求事件|懲戒処分取消請求事件
判決データ
- 事件番号
- 平成30行ウ12
- 事件名
- 懲戒免職処分取消等請求事件|懲戒処分取消請求事件
- 裁判所
- 福岡地方裁判所
- 裁判年月日
- 2022年7月29日
- 裁判官
- 小野寺優子、有田浩規、小野寺優子
AI概要
【事案の概要】 糸島市消防本部の消防職員であった原告A1(係長級・43歳)及び原告B1(係長級・41歳)が、他の職員に対するハラスメント行為等を理由として、原告A1は懲戒免職処分、原告B1は戒告処分を受けた。原告らは各処分の取消しを求めるとともに、原告A1は国家賠償法1条1項に基づく慰謝料300万円の支払を求めた事案である。原告A1は、数年にわたり部下等に対し、通常の範囲を逸脱した訓練の強要、暴言・叱責、セクハラ発言等の非違行為を繰り返したとされ、原告B1は、部下に対し宙吊り状態での懸垂等の過剰なトレーニングを強いたとされた。 【争点】 (1) 各処分に係る懲戒事由該当性、(2) 懲戒免職処分が裁量権の範囲を逸脱・濫用したか、(3) 国家賠償法上の違法行為の有無、(4) 戒告処分が裁量権の範囲を逸脱・濫用したか。 【判旨】 原告A1の懲戒免職処分を取り消し、慰謝料100万円を認容。原告B1の請求は棄却。 裁判所は、原告A1の非違行為の相当部分について懲戒事由該当性を認めつつも、訓練の逸脱の程度は特段大きいとまではいえず、被害職員に重大な負傷等も生じていないこと、原告A1には過去に懲戒処分歴がなく、個別的な注意・指導を受けた事情も見当たらないこと等を考慮し、懲戒指針上の標準的処分のうち最も重い停職よりもさらに重い免職処分を選択した判断は、処分の選択が重きに失するものとして社会観念上著しく妥当を欠き、裁量権の範囲を超え違法と判断した。国家賠償については、違法な免職処分により消防職員の地位を失い報道もされたことによる精神的苦痛を認め、慰謝料100万円が相当とした。他方、原告B1に対する戒告処分については、標準的処分より軽い処分の選択であり、裁量権の逸脱・濫用は認められないとして請求を棄却した。