事業計画変更決定取消請求控訴事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 控訴人(市)が平成26年12月17日付けで行ったα都市計画事業β駅西口土地区画整理事業の事業計画変更決定(第2次変更決定)について、施行地区内の地権者ら(被控訴人ら)がその取消しを求めた事案の控訴審である。原審は、第2次変更決定の資金計画及び事業施行期間が土地区画整理法54条、6条9項等に違反するとして取消しを認容した。控訴人のみが控訴した。なお、控訴人は控訴後の令和元年5月20日、事業施行期間を15年延伸し資金計画を変更する第3次変更決定(軽微な変更)を行っている。 【争点】 (1) 第3次変更決定後の訴えの利益・審判対象の範囲、(2) 被控訴人らの原告適格の有無、(3) 都市計画及び第2次変更決定の適法性、(4) 事情判決の法理の適用の可否。 【判旨】 控訴認容・原判決取消し(被控訴人らの請求棄却)。 裁判所は、処分取消訴訟の訴訟物は処分の違法性一般であり、個々の処分要件ごとに訴訟物が分断されるものではないとした上で、第3次変更決定により第2次変更後事業計画の資金計画及び事業施行期間は既に変更されて存在しないから、これらの適否について控訴審で判断する実益は失われたと判示した。もっとも、第2次変更決定の手続等に著しい瑕疵があり第3次変更決定の適法性に影響を及ぼすような例外的事情がある場合には判断の余地があるとしつつ、本件ではそのような事情は認められないとした。原告適格については、施行地区内の建物賃借人や占有補助者を含め被控訴人らの原告適格を肯定した。その上で、資金計画・事業施行期間を除いた第2次変更決定の適法性を検討し、都市計画及び事業計画はいずれも適法と判断した。付言として、長期にわたる区画整理事業では事業計画作成当初に資金額や期間を正確に予測することは困難であり、事業の進捗状況や追加予算措置の可能性等を総合考慮すべきであるとし、第2次変更後事業計画の資金計画等が直ちに違法とまでは認められないとの見解を示した。