AI概要
【事案の概要】 本件は、インテリア照明器具(シーリングライト)を販売する原告(ジュリアインテリア合同会社)が、被告(VENTOTA合同会社)に対し、原告製品の形態と実質的に同一の製品を販売する行為が不正競争防止法2条1項1号(周知の商品等表示の混同惹起行為)及び同項3号(商品形態模倣行為)の不正競争に該当すると主張して、被告製品の販売・輸入の差止め及び廃棄、並びに損害賠償1億円の支払を求めた事案である。原告製品は、白色ポリプロピレンの平板をプリーツ状又は花状に折り畳んだ特徴的なシェード部分を有するシーリングライトであり、平成22年の第1世代製品から本体部分(発光部分・台座等)を改良しつつ第4世代まで販売されてきた。被告は平成31年2月頃から原告製品の第4世代と実質的に同一形態の製品を販売していた。原告と被告の製品は、いずれも中国の同一メーカー(中山市正久照明有限公司)が製造したものであった。 【争点】 1. 原告製品の形態が不競法2条1項1号の「商品等表示」として周知であるか 2. 原告が不競法2条1項3号の「営業上の利益」を侵害された者に該当するか 3. 原告製品が「日本国内において最初に販売された日から起算して3年を経過した商品」(不競法19条1項5号イ)に該当するか 4. 損害の発生及びその額 5. 差止め等の必要性 【判旨】 請求棄却。裁判所は、三つの争点すべてにおいて原告の主張を退けた。 第一に、不競法2条1項1号について、商品の形態が「商品等表示」に該当するためには、特別顕著性と周知性が必要であるところ、原告製品のシェード部分の形状は一般的なシーリングライトとは異なる特徴を有するものの、シェード部分は様々なデザインとすることが可能であり、デンマークのレ・クリント社が原告製品と類似するシーリングライトを製造販売していたことも考慮すると、原告製品の形態が顕著に異なるとは認められず、また、販売数や宣伝広告の効果を認めるに足りる証拠もないとして、周知の商品等表示には該当しないと判断した。 第二に、不競法2条1項3号について、同号の趣旨は自ら費用及び労力を投下して商品を開発した者の保護にあるところ、原告が原告製品を自ら開発したことを裏付ける十分な証拠がなく、むしろ中国メーカーが約20年前にヨーロッパの会社が開発したモデルに基づいて製造販売していたものであることがうかがわれるとして、原告は「営業上の利益」を侵害された者には該当しないと判断した。 第三に、仮に原告の開発が認められたとしても、原告製品の形態の核心はシェード部分にあり、本体部分の改良(電球から蛍光灯・LEDへの変更等)は若干の変更にすぎないから、保護を求める商品の形態を具備した最初の商品は第1世代製品(平成22年販売開始)であり、3年の保護期間は遅くとも平成25年末に満了しているとして、同号の適用を否定した。