AI概要
【事案の概要】 本件は、「飲食店の運営管理システム」に関する特許(特許第6694402号)について、特許異議申立てに基づき特許庁が請求項1ないし3、5に係る特許を取り消す決定をしたところ、特許権者である原告(Queens Japan株式会社)が当該決定の取消しを求めた審決取消訴訟である。本件特許は、飲食店の店員が操作する第1の携帯通信端末を介して顧客の第2の携帯通信端末に二次元コードを読み込ませ、顧客が自身のスマートフォン等から顧客注文サイトにアクセスして注文できる運営管理システムに関するものである。特許庁は、本件発明が先行技術である甲2-1発明(特開2013-149185号公報に記載された飲食店注文処理システム)に基づき当業者が容易に発明できたものであるとして、進歩性を否定した。 【争点】 主な争点は、本件発明1と甲2-1発明との一致点の認定の誤りの有無(取消事由1)、相違点の認定の誤りの有無(取消事由2)及び本件発明2、3、5についての判断の誤りの有無(取消事由3)である。特に、「二次元コードを読み込んだ第2の携帯通信端末を用いて顧客注文サイトの操作が可能に構成されている」という点で両発明が一致するとした本件決定の認定が争われた。原告は、本件発明の二次元コードは顧客注文サイトに直接アクセスして操作が可能となるものであるのに対し、甲2-1発明ではユーザ端末が二次元バーコードを読み込んだだけでは注文できず、ログインやセッションID取得等の手順を経なければならない点で相違する旨を主張した。 【判旨】 請求棄却。裁判所は、請求項1の記載上、「二次元コード」は「顧客注文サイトにアクセスするためのアクセス情報が記録された」ものとして特定されているにとどまり、アクセス情報のより具体的な内容については何ら特定されていないから、アクセス(接続)するための情報さえ記録されていれば足りると解した。また、「二次元コードを読み込んだ」ことは顧客注文サイトの操作が可能となるための必要条件として示されているにすぎず、それが十分条件であることは示されていないと判断した。その上で、甲2-1発明のユーザ端末によるグループIDの通知やセッションIDの受信・Cookie登録はいずれも自動的に行われユーザに追加の入力が要求されるものでないことを指摘し、両発明の二次元コード(バーコード)に実質的な差異はないとして、本件決定の一致点・相違点の認定及び進歩性判断に誤りはないと結論づけた。