債務不存在確認等請求事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 段ボール箱と板材の組合せによる梱包体を製造・販売する原告M・Kロジと、同社に梱包体を製造する自動梱包ライン(原告機械)を販売した原告シプソルが、梱包体に関する特許権(特許第6466029号)を保有する被告(株式会社ダイワハイテックス)に対し、(1)原告M・Kロジによる梱包体の使用等について特許権に基づく差止請求権・損害賠償請求権等が存在しないことの確認、(2)被告による原告らの顧客等への特許権侵害の虚偽事実の告知・流布の差止め(不正競争防止法3条1項)、(3)不正競争行為に基づく損害賠償を求めた事案である。被告は原告M・Kロジに対し、梱包体が特許権を侵害するとして利用停止・解決金1000万円の支払等を求める通知を送付し、また被告従業員が原告シプソルの取引先候補であるMYTH社に対し、原告シプソルの自動梱包ラインが被告の特許技術に抵触しているとのメールを送信していた。 【争点】 (1)原告M・Kロジの債務不存在確認請求に確認の利益があるか、(2)原告M・Kロジの営業上の利益が侵害されるおそれの有無(不競法3条1項)、(3)原告M・Kロジの損害賠償請求の当否(不競法4条)、(4)原告シプソルの営業上の信用を害する虚偽の事実の告知の有無、(5)原告シプソルに生じた損害の有無及びその額。 【判旨】 争点(1)につき、被告は訴訟において特許権侵害を積極的に主張しないとしたが、約1年間の交渉を通じ被告が一貫して利用停止や解決金支払を求めていた経緯に照らし、原告M・Kロジには権利行使を受ける現実の不安があるとして確認の利益を認め、被告による具体的主張立証がないことから債務不存在を確認した。争点(2)(3)につき、被告が原告M・Kロジの顧客等に実際に警告等をした証拠はなく、通知の記載も訴訟提起を前提とした交渉の予定を述べるにとどまるとして、不競法3条1項に基づく差止請求及び同法4条に基づく損害賠償請求をいずれも棄却した。争点(4)につき、自動梱包ラインである原告機械は梱包体・梱包方法に関する本件特許発明の技術的範囲に属さないことは明らかであるとし、甲3通知及び甲21メールはいずれも原告シプソルに関する虚偽の事実の告知に当たると認定した。甲21メールについて被告が営業職員の勇み足と主張した点も、被告名義で送信されていること等から被告の行為と認定した。争点(5)につき、告知回数が2回にとどまり取引喪失の立証もないこと等を考慮し、無形損害30万円、弁護士費用5万円の合計35万円の損害を認容した。