AI概要
【事案の概要】 原告(エス・アンド・ケー株式会社)は、デンマークの調理器具ブランド「SCANPAN」の日本国内における販売代理店であり、株式会社いつもに依頼して作成されたSCANPAN商品の広告画像(商品の特徴を説明する画像7種類と、各商品の外観を撮影した画像50種類)の著作権を譲渡により取得していた。被告(個人)は、YAHOO! JAPANショッピング上に開設した2つのオンラインストアにおいて、令和2年12月26日以降、12種類のSCANPAN商品を販売するにあたり、原告が著作権を有する上記各画像を各商品紹介ページに無断で掲載した。原告は、被告に対し、著作権(複製権・公衆送信権)侵害の不法行為に基づく損害賠償として、1ページあたり6万6666円×12ページ分の合計79万9992円及び遅延損害金の支払を求めた。 【争点】 主たる争点は、損害の発生及びその額である。原告は、本件各画像の使用許諾は商品の卸売等の取引関係を前提とした取引条件の一部として行うものであり、使用料は一般的な画像使用料より高額になると主張した。これに対し被告は、本件各画像は商品画像にすぎず、表示期間も短く、商品の売上実績もないことから、原告主張の損害額は高額にすぎると反論した。 【判旨】 裁判所は、請求を一部認容し、10万円及び遅延損害金の支払を命じた。まず、本件各画像の使用態様について、本件各画像はもともと説明画像7枚と商品ごとの外観画像1枚の計8枚を組み合わせて使用することが想定されていたものであり、各オンラインストアでもその想定どおりの態様で使用されたことから、各オンラインストアごとに一体として画像が利用されたと捉えるのが相当であるとした。その上で、使用期間が約4か月と比較的短くその間に商品が全く売れなかったこと(閲覧数も少なかったと推認)、shutterstock等の画像サービスでは画像10点の月額使用料が3000円〜4000円程度であること、株式会社アフロの使用料が1年で2万2000円であること等の使用料相場を考慮しつつも、原告が自ら商品販売のために画像制作を依頼し著作権を取得したものであり他者に使用許諾する場合には一定の使用料を求めると考えられることを踏まえ、著作権法114条3項に基づく使用料相当損害額を2店舗合計で10万円と認定した。なお、被告に故意があったとしても損害額は上記を超えないとした。