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下級裁

詐欺被告事件

判決データ

事件番号
令和4う28
事件名
詐欺被告事件
裁判所
広島高等裁判所
裁判年月日
2022年9月8日
裁判種別・結果
棄却
裁判官
伊名波宏仁富張真紀家入美香
原審裁判所
山口地方裁判所

AI概要

【事案の概要】 被告人は、送配電施設用地の樹木伐採・保全作業等を業とする株式会社(D社)の取締役兼山口営業所長であった者である。被告人は、D社から業務委託を受けていた有限会社(K社)の取締役Aと共謀し、D社に対する業務委託料を水増し請求して金銭をだまし取ることを企てた。具体的には、被告人がD社において業務委託料算出の基礎となる作業員の稼働実績を集計する立場にあることを利用し、売上管理日報に入力する際、実際に作業に従事した作業員数を水増しし、水増し後の作業員数及び業務委託料を入力した。これにより、情を知らないD社代表取締役Bをして、水増し後の金額が正当な業務委託料であると誤信させ、K社名義の銀行口座に水増し後の業務委託料合計約3億円(うち水増し部分約7811万円)を振込入金させた詐欺47件の事案である。水増し部分のうち約75%を被告人が、約25%をAが取得していた。原審(山口地裁)は被告人を懲役5年に処したが、被告人側が法令適用の誤り及び量刑不当を理由に控訴した。 【争点】 第一の争点は、詐欺罪の被害額が水増し後の業務委託料全額か、水増し部分のみかという点である。弁護人は、正当に請求できる業務委託料部分と水増し部分は区別可能であるとし、補助金等不正受交付罪に関する最高裁平成21年決定や、障害者給付費水増し請求に関する東京高裁平成28年判決を引用して、水増し部分のみについて詐欺罪が成立すると主張した。第二の争点は、原判決の懲役5年という量刑が重すぎて不当であるかという点である。弁護人は、共犯者AのK社によるD社への1000万円の被害弁償を原判決が考慮していないこと、及び犯行の動機がD社の利益を図る目的であったことを主張した。 【判旨(量刑)】 広島高裁は、第一の争点について、D社がK社に支払う業務委託料は1か月ごとの対価として算出されるものであり、被告人の欺く行為によりBの交付意思全体に瑕疵が生じ、これに基づいて1か月分の業務委託料としての金員全額が交付されたのであるから、全額について詐欺罪が成立するとした。弁護人が引用した最高裁平成21年決定は補助金等不正受交付罪という異なる構成要件の事案であり、東京高裁平成28年判決は障害者ごとに給付費の請求・算定がされるという作業員単位の運用がない本件とは事案を異にするとして、いずれも採用しなかった。第二の争点について、K社の1000万円の弁償は水増し部分総額の約13%にとどまり被告人自身の負担でもないこと、D社の利益を図る動機があったとしても適法な手段によるべきであり裏金作りはD社への損害そのものであることから、原判決の量刑判断は不合理ではないとした。もっとも、原判決後にK社がさらに1500万円をD社に弁償し、弁償総額が2500万円(水増し部分の約32%)に達したことを考慮し、原判決を破棄して懲役4年8月に減軽した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。