AI概要
【事案の概要】 デンマーク製キッチン用品ブランド「SCANPAN」のフライパンの日本国内正規代理店である原告が、Yahoo!ショッピング上でオンラインストアを運営する被告に対し、被告が原告の商品画像を無断で複製・掲載して著作権(複製権及び公衆送信権)を侵害したとして、民法709条に基づき73万3326円の損害賠償及び遅延損害金の支払を求めた事案である。被告は、遅くとも令和3年3月3日頃から同年4月14日頃にかけて、被告ストアにおいて11種類のフライパンを出品し、出品商品ごとに原告が制作会社に依頼して制作した共通画像7枚と個別商品画像1枚の計8枚を組み合わせて掲載していた。原告の求めに応じ、被告は同年4月14日頃に画像を削除した。 【争点】 原告の損害額が争点となった。原告は、画像のデザイン制作費用約700万円等を根拠に、1ページ当たり6万6666円×11ページ=73万3326円が著作権法114条3項に基づく損害額であると主張した。予備的に、被告の著作権侵害により売上が前年同期比26%減少したとして、その売上減少額を損害額とすべきとも主張した。これに対し被告は、大手新聞社の写真でも1か月当たりの使用料金は2000円弱〜3500円程度であるとして損害額を争い、また、被告は顧客からの注文を受けて原告から定価で仕入れて転売するビジネスモデルであるため、原告の売上減少との因果関係がないと反論した。 【判旨】 裁判所は、本件画像が商品の特徴を分かりやすく伝える工夫を凝らして制作されたものであり、被告が掲載した画像の数が少なくないことを認めつつも、掲載期間が約1か月半と比較的短期間であること、本件画像は共通画像7枚と個別画像を組み合わせて利用することが想定されていたことから、被告の利用態様は本件画像の1回の利用として想定された範囲内にとどまると判断した。これらを総合考慮し、著作権法114条3項に基づく損害額を5万円と認定した。原告のページ数を基準とする算定方法については、利用回数の評価として相当でないとして排斥し、売上減少額の主張についても相当因果関係の立証がないとして退けた。被告が主張する料金表に基づく算定についても、利用条件等が明らかでないとして採用しなかった。結論として、5万円及び遅延損害金の限度で原告の請求を認容し、その余を棄却した。