AI概要
【事案の概要】 原告は、ツイッター上で道の駅における車中泊に関する自身の見解を140文字以内のツイート(原告ツイート)として投稿していた。これに対し、氏名不詳者(本件投稿者)が、原告ツイートのスクリーンショットを画像として添付した上で、原告の主張する国土交通省の見解が不正確であると指摘するツイート(本件ツイート)を投稿した。なお、原告は本件投稿者のアカウントをブロックしていたため、本件投稿者はツイッター上の引用リツイート機能を利用できない状態にあった。 原告は、本件ツイートが原告ツイートに係る著作権(複製権及び公衆送信権)を侵害することが明らかであると主張し、本件投稿者へのログインに係る経由プロバイダである被告(楽天モバイル株式会社)に対し、特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(プロバイダ責任制限法)4条1項に基づき、本件投稿者の氏名、住所、電話番号及びメールアドレスの開示を求めた。 【争点】 1. 原告ツイートの著作物性の有無 2. 本件ツイートによる原告ツイートの引用が著作権法32条1項の適法な引用に該当するか 【判旨】 裁判所は、争点1について、原告ツイートは国土交通省の見解や反対派の意見を示した上で原告自身の見解を述べたものであり、140文字という文字数制限の中で独特の言い回し等を選択して表現したものであるから、思想又は感情を創作的に表現した言語の著作物(著作権法10条1号)に該当すると判断した。被告の「芸術性がない」との反論については、著作物性に芸術性は不要であるとして退けた。 争点2について、裁判所は、本件添付画像は本文部分と明瞭に区別して認識し得る態様で利用されていること、原告ツイートの内容を正確に摘示する目的で添付されたものであること等から、引用は必要かつ合理的な範囲内で行われたと認定した。スクリーンショットによる引用方法についても、ツイッター上で多くの利用者により日常的に行われており、ツイッター社がこれを規約違反として削除等の規制をしている実態もうかがわれないことから、公正な慣行に合致する範囲内にあるとした。また、原告がブロック機能を利用していた点についても、ブロックはログイン状態での閲覧を制限するにとどまり、ログアウト状態や別アカウントからの閲覧は可能であるため、ブロックの存在をもって引用が公正な慣行に合致しないとまではいえないとした。 以上から、本件ツイートによる引用は著作権法32条1項の要件を満たす適法なものであり、原告の著作権侵害が明らかであるとはいえないとして、原告の請求を棄却した。