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下級裁

国家賠償請求事件

判決データ

事件番号
平成29ワ552
事件名
国家賠償請求事件
裁判所
水戸地方裁判所
裁判年月日
2022年9月16日

AI概要

【事案の概要】 カメルーン国籍の男性Aは、平成25年10月に成田空港に到着したが上陸条件を満たさず、退去強制令書に基づき東日本入国管理センター(茨城県牛久市)に収容されていた。Aは糖尿病及びHIV陽性であり、収容中に糖尿病薬の処方を受けていたが、抗HIV薬については「カメルーンから送付してもらうように」との指導を受け、一時服用が途絶えていた。平成26年2月下旬から胸痛や両足の痛み等を訴えるようになり、同年3月27日には体調不良で休養室に移され、24時間体制の動静監視が開始された。同月29日午後7時頃からAは急激に容態が悪化し、「アイムダイイング(死にそうだ)」「マイハートエイク(胸が痛い)」と繰り返し叫び、ベッドから落ちて床の上で転がり続けるなど尋常でない状態となったが、職員らは救急車を要請しなかった。翌30日午前6時56分に職員がAの心肺停止を確認し、午前7時04分にようやく救急車が要請されたが、搬送先の病院で午前8時07分に死亡が確認された。Aの母である原告が、職員らの救急搬送義務違反を主張して国家賠償法1条1項に基づき1000万円の損害賠償を求めた。 【争点】 主な争点は、(1)同年3月29日午後6時06分から午後7時46分までの間に職員らにAを救急搬送すべき注意義務があったか、(2)Aの死因は冠攣縮性狭心症か、(3)注意義務違反とAの死亡との因果関係の有無、(4)注意義務違反がなければAが死亡時点でなお生存していた相当程度の可能性があったか、(5)適切な医療行為を受ける期待権の侵害の有無、(6)損害額である。 【判旨】 裁判所は、入管センターの職員らには被収容者の生命・身体の安全を保持するため適切な医療上の措置を取るべき注意義務があるとした上で、Aが30分以上にわたり苦しんで「アイムダイイング」と訴え続け、胸部の痛みを直接訴えた3月29日午後7時35分頃の時点で、救急搬送を要請すべき注意義務があったと認定した。消防庁の「緊急度判定プロトコル」に照らしても、通常人がAの状況を見て救急搬送が必要と判断することは困難でなかったとした。一方、Aの死因については、冠攣縮性狭心症の可能性は認められるものの断定はできず、抗HIV薬の中断・再開による代謝性疾患で死亡した可能性も相応にあるとして、注意義務違反と死亡との相当因果関係は否定した。しかし、午後7時35分頃に救急搬送されていれば、病院で応急処置や対処療法を受けることが可能であり、Aが死亡時点でなお生存していた相当程度の可能性があったと認め、生存の相当程度の可能性の侵害を理由に、慰謝料150万円及び弁護士費用15万円の合計165万円の賠償を命じた。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。