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知財

審決取消請求事件

判決データ

事件番号
令和3行ケ10114
事件名
審決取消請求事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2022年9月29日
裁判官
東海林保中平健都野道紀

AI概要

【事案の概要】 本件は、スライドファスナー用スライダーの胴体に関する意匠権(登録第1270572号、平成18年3月24日設定登録)をめぐる審決取消請求事件である。被告(意匠権者)は、原告が販売する製品の意匠が本件意匠に類似するとの判定を得た。これに対し原告は、本件意匠の登録無効審判を請求し、中国企業「晋江新辉行制造有限公司」(以下「新輝行」)名義の「2004年版」カタログ(甲1カタログ)に記載された意匠(甲1意匠)が本件意匠の出願前に公然知られた意匠又は頒布された刊行物に記載された意匠であるとして、意匠法3条1項3号及び同条2項に該当すると主張した。特許庁は令和3年5月18日、甲1カタログの頒布時期の立証が不十分であるとして審判請求を不成立とする審決をし、原告がその取消しを求めて知的財産高等裁判所に出訴した。 【争点】 甲1カタログが真正に成立したものか否か、及び本件意匠の出願前に頒布されたか否かが主たる争点となった。原告は、カタログに「2004年版」と記載されていることや、複数の第三者の陳述書、カタログに残された手書きメモ等を根拠に、出願前の頒布を主張した。これに対し被告は、新輝行の法人登録が中国の公的機関に存在しないこと、インターネット上にも情報が皆無であること、現地調査でも所在を確認できなかったこと等を挙げ、カタログの成立の真正自体を争った。 【判旨】 知的財産高等裁判所は、原告の請求を棄却した。裁判所はまず、甲1カタログの作成名義人である新輝行について、被告が令和2年に実施した調査の結果、国家企業信用情報公示システム等の公的機関に法人登録情報が存在せず、インターネット上にも新輝行に関する情報が全く見当たらなかったことを認定した。その上で、甲1カタログの記載内容によれば新輝行は相当規模の企業であったはずであるにもかかわらず、公的記録やインターネット上に痕跡が皆無であることは極めて不自然であり、新輝行が実在したことを強く疑わせる事情が存すると判断した。さらに、カタログの体裁についても、企業全体の紹介を目的とする表紙・会社紹介ページと、スライダーの製品紹介に特化した3頁以降との間に目的の不整合があり、不自然であると指摘した。原告が提出した複数の陳述書については、反対尋問を経ておらず、裏付けとなる客観的証拠も乏しいとして信用性を否定した。以上から、甲1カタログが新輝行によって真正に作成されたものと認めるに足りる立証はされておらず、甲1意匠が出願前に公然知られた意匠等であるとは認められないとして、本件審決の判断に誤りはないと結論づけた。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。