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下級裁

遺族補償給付等不支給処分取消請求事件

判決データ

事件番号
令和2行ウ89
事件名
遺族補償給付等不支給処分取消請求事件
裁判所
東京地方裁判所
裁判年月日
2022年9月29日
裁判官
片野正樹小野瀬昭中井裕美

AI概要

【事案の概要】 訪問介護事業及び家政婦紹介あっせん事業等を営む会社に家政婦兼訪問介護ヘルパーとして登録されていた女性(亡B)が、要介護度5(最重度)の認知症高齢者宅に7日間住み込み、訪問介護サービス業務及び家政婦としての家事・介護業務に従事した後、勤務終了日に入浴施設のサウナ室内で倒れ、急性心筋梗塞又は心停止により死亡した。亡Bの夫である原告が、労災保険法に基づく遺族補償給付及び葬祭料を請求したところ、渋谷労働基準監督署長は、亡Bが労働基準法116条2項所定の「家事使用人」に該当し、同法及び労災保険法の適用がないとして不支給処分をした。原告は審査請求・再審査請求をいずれも棄却され、本件取消訴訟を提起した。 【争点】 (1) 亡Bが従事していた家事業務と介護業務は一体として会社の業務といえるか(「家事使用人」該当性)、(2) 訴訟段階で被告が業務起因性の不存在を処分理由として追加することは許されるか、(3) 亡Bの疾病発症・死亡に業務起因性が認められるか。 【判旨】 裁判所は、まず争点(1)について、会社は有料職業紹介事業者として家政婦の紹介あっせんを行っており、家政婦業務は求人者(要介護者の息子)と登録家政婦との間の雇用契約に基づいて行われていたと認定した。訪問介護サービス業務は会社の業務であるが、家事業務は会社の業務とは認められず、家事業務との関係では亡Bは「家事使用人」に該当するとした。もっとも、訪問介護業務との関係では亡Bは会社と雇用契約を締結した労働者であり「家事使用人」には該当しないから、家事使用人該当性のみを理由とした不支給処分には違法があるとした。次に争点(2)について、労災保険法は保険給付の種別に応じて処分要件を措定しており、傷病及び災害原因の同一性が維持される限り処分の同一性は害されないとして、業務起因性の不存在を処分理由として追加することは許されるとした。争点(3)については、会社の業務である訪問介護業務の労働時間は1日4時間30分、7日間で合計31時間30分にとどまり、短期間の過重業務や長期間の過重業務には該当しないとした。家事業務の過重性は会社の業務ではないため業務起因性の判断の対象とならず、結局、会社の業務に内在する危険の現実化として本件疾病を発症したとは認められないとして、請求を棄却した。本判決は、家政婦兼訪問介護ヘルパーの二重の法的地位を正面から分析し、介護保険制度と家政婦紹介あっせん事業が併存する場面における労災保険法の適用範囲を明確にした点に意義がある。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。