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下級裁

殺人、銃砲刀剣類所持等取締法違反

判決データ

事件番号
令和1わ2245
事件名
殺人、銃砲刀剣類所持等取締法違反
裁判所
名古屋地方裁判所
裁判年月日
2022年10月4日
裁判官
山田耕司岩見貴博橋本泰一

AI概要

【事案の概要】 被告人は、平成13年頃に発症した統合失調症により、「誰かが拉致しに来る」「危害を加えに来る」といった被害関係妄想を有しており、自宅に5台の防犯カメラを設置して昼夜を問わず映像を監視する生活を送っていた。令和元年6月24日午後10時20分頃、被害者A(当時44歳)及びB(当時41歳)が防犯カメラに向かって手を振ったことから、自分に危害を加えに来たと考え、護身用のサバイバルナイフ入りのショルダーバッグを持って外に出た。被害者らとの口論の末、Aから左手を掴まれBから背中を押されて逃げられなくなり、頭の中に「バッグからナイフを出して刺せ」という声が繰り返し響く思考吹入が生じた。被告人はナイフでAの胸部を3回突き刺して殺害し、続けて仰向けに倒れていたBの胸腹部等を多数回突き刺して殺害した(殺人2件、銃刀法違反1件)。 【争点】 弁護人は、本件各犯行当時、被告人の統合失調症の病態水準は深い水準にまで落ち込んでおり、行動制御能力が失われていたか著しく低下していたとして、心神喪失又は心神耗弱を主張した。裁判所鑑定のD鑑定人は、思考吹入が犯行の直接の契機となった点で統合失調症は相当程度の影響を与えたが、被害者らとの現実的な確執があり動機は心理的に了解可能であるとして、大きな影響とまではいえないとした。弁護側のE医師は、犯行時に病態水準が一時的に深い水準まで落ち込み、行動制御能力が制限された可能性があるとした。 【判旨(量刑)】 裁判所は、犯行前に被告人が騒音を気にして場所の移動を提案するなど正常な心理で行動していたこと、犯行直後に冷静で合理的な言動をとり粗大な健忘もなかったことから、E医師が指摘するほど病態水準が悪化していた疑いまでは残らないとした。他方、思考吹入の内容はナイフ使用を想定していた被告人の意思との連続性があり、自分の意思で犯行に及んだ部分も相応に残っていたと認定し、心神喪失はもとより心神耗弱にも至っていないと判断した。量刑については、殺傷能力の高いサバイバルナイフで被害者らの急所を一方的に複数回突き刺した残虐な犯行で2名の尊い人命が失われた結果は極めて重大であるとしつつ、被害者らが2対1の状況で被告人に有形力を行使して恐怖心を抱かせ犯行を誘発した面があること、統合失調症による被害関係妄想や思考吹入が犯行に相当程度の影響を与えたことを非難を減じる事情として考慮し、無期懲役ではなく有期懲役刑を選択するのが相当とした上で、犯行の残虐性と結果の重大さから有期懲役刑の上限である懲役30年を言い渡した(求刑:無期懲役)。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。