AI概要
【事案の概要】 原告(エスキー工機株式会社)は、平成4年から「ゴミサー」の名称で業務用生ごみ処理機を製造・販売していた。被告(株式会社エイ・アイ・シー)は、かつて原告の販売代理店であったが、原告代表者が旧登録商標(「ゴミサー」)の更新手続を怠り登録が抹消された後、平成27年に「ゴミサー」を自ら商標登録した。原告は、本件商標が商標法4条1項10号(周知商標と同一又は類似の商標)及び同項19号(不正の目的による商標登録)に該当するとして無効審判を請求したが、特許庁が請求不成立の審決をしたため、その取消しを求めて本件訴えを提起した。 【争点】 (1) 引用商標「ゴミサー」の周知性の有無(商標法4条1項10号及び19号) (2) 被告の不正の目的の有無(商標法4条1項19号) 【判旨】 裁判所は、原告の請求を棄却した。 争点(1)について、裁判所は、業務用生ごみ処理機の需要者の範囲を処理方式ごとに限定すべきとする原告の主張を退け、いずれの処理方式を選択するかは事業者がそれぞれの事情に基づき判断するものであるから、需要者は業務用生ごみ処理機を必要とする事業者全体とするのが相当であるとした。その上で、業務用生ごみ処理機全体の市場における原告商品の占有率は概ね10%前後にとどまり、年間販売台数も平成11年の284台をピークに減少して出願前約10年間は毎年70台前後で推移していたこと、受賞歴や報道歴もほとんどが山形県内又は酒田市内のものであり出願前約10年間に報道歴がないこと、特別な広告宣伝活動がされていた事情もないことを総合し、引用商標が出願時及び登録査定時に需要者の間に広く認識されていたとは認められないと判断した。 争点(2)について、引用商標の周知性が認められない以上、その余の点を判断するまでもなく、商標法4条1項19号にも該当しないとした。