選挙無効等請求事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 令和3年7月4日に行われた東京都議会議員一般選挙について、江東区選挙区の選挙人である原告が、東京都議会議員の定数等に関する条例(本件条例)の規定が違憲・違法であると主張して選挙無効を求めた事案である。原告の主張は2点あり、第1に、大島町や八丈町など島しょ部を合わせて1選挙区(島部選挙区)とする規定(本件島部選挙区規定)が公職選挙法271条及び憲法14条1項等に違反すること、第2に、各選挙区の議員定数を定める規定(本件定数配分規定)が公職選挙法15条8項及び憲法14条1項等に違反することである。島部選挙区は昭和44年の条例制定当時から特例選挙区として存置されており、令和2年の国勢調査に基づく配当基数は0.221と極めて小さかった。 【争点】 (1) 島部選挙区を特例選挙区として存置することが公職選挙法271条に違反するか。 (2) 本件定数配分規定が公職選挙法15条8項に違反するか。 (3) 上記各規定が憲法14条1項、15条1項・3項、92条及び93条に違反するか。 【判旨】 最高裁は、上告を棄却し、いずれの主張も退けた。 第1の争点について、特例選挙区の存置が適法か否かは、都道府県議会の裁量権の合理的行使として是認されるかどうかにより決すべきであるとした。島しょ部は離島として自然環境や社会・経済状況が他地域と大きく異なり、特有の行政需要を有することから、島しょ部選出の代表を確保する必要性が高い一方、地理的状況から他の市町村との合区が地続きの場合に比して相当に困難であることを考慮し、配当基数0.221であっても特例選挙区の存置が許されない程度に至っているとはいえないと判断した。 第2の争点について、特例選挙区以外の選挙区間の議員1人当たりの人口の最大較差は1対2.54であり、人口比定数との差異がある6選挙区も差はいずれも1人にとどまり、逆転現象も3通りで定数差は各1人であったことから、投票価値の不平等が一般的に合理性を有するとは考えられない程度に達していたとはいえないとした。 第3の憲法違反の主張についても、大法廷判決の趣旨に照らし明らかに理由がないとして退けた。裁判官全員一致の意見である。