AI概要
【事案の概要】 原告は、デンマーク製キッチンブランド「SCANPAN」の日本国内正規代理店として製品の輸入・販売を行う株式会社である。原告は、ウェブサイト制作会社に依頼して、原告商品の性能や特長を紹介する商品画像や説明文等(本件各画像)を制作させ、その著作権の譲渡を受けていた。被告は、インターネット上のショッピングモールにおいて「ツコ」「オーエスシー」「キー」の3つのオンラインストアを運営し、令和2年10月から令和3年4月にかけて、合計29ページにわたり本件各画像を無断で複製・掲載して原告商品を販売した。原告は、著作権(複製権・公衆送信権)侵害による損害賠償として、著作権法114条3項に基づく使用料相当額199万9980円の支払を求めた。 【争点】 主な争点は、(1)本件各画像の著作権者が原告であるか、(2)被告の故意又は過失の有無、(3)損害額の算定方法であった。特に損害額については、原告が1ページあたり6万6666円に30ページを乗じた額を主張したのに対し、被告は画像レンタルサービスの料金等を根拠に7万6560円を超えないと反論した。使用料相当額の算定に際して、ページ数を単位とすべきかオンラインストア数を単位とすべきかが重要な論点となった。 【判旨】 裁判所は、まず著作権者について、制作会社との契約に基づき著作権が原告に譲渡されたと認定した。被告の過失については、本件各画像を自ら創作していないことを認識しながら著作権者の調査・確認を怠った点に過失を認めた。 損害額の算定において、裁判所は、原告商品が同一商品群からなるフライパンであり、別紙画像目録1記載の7点の画像は全ページで共通して使用されていたことから、単純にページ数を乗じる方法は相当でないと判断した。本件各画像は原告商品に特化した販売促進資料であり、利用許諾が想定されるのは正規代理店との再販売契約に伴う場面であることから、オンラインストア数に応じた算定が合理的であるとした。1ストアあたりの使用料相当額については、本件各画像が報道写真ほどの高度な創作性はないものの相応の工夫がなされた著作物であること、利用期間が約6か月であったこと等を総合考慮し、5万円と認定した。その結果、3ストア分の合計15万円の損害賠償を認容し、請求額約200万円の大部分を棄却した。ECサイトにおける商品画像の無断利用に関し、使用料相当額の算定単位について具体的な判断基準を示した実務上参考となる裁判例である。