AI概要
【事案の概要】 被告人(犯行時19歳の少年)は、違法薬物の密売人から金品を強奪しようと企て、共犯者3名と共謀の上、令和4年3月1日夜、大阪府寝屋川市内において、大麻の購入を装って呼び出した被害者(当時20歳)に対し、背後から肩をつかんで転倒させ、催涙スプレーを噴射し、特殊警棒で殴打するなどの暴行を加えた。さらに、被告人自らが持ち出したナイフで被害者の右胸背部を突き刺し、その反抗を抑圧して現金約13万円等を奪った。被害者は右肺動脈枝切断に基づく失血により死亡した。被告人らは、違法薬物の密売人であれば被害申告されないと見越して標的に選び、買主が女性1人であるかのように装って被害者を人気のない場所に誘い出すなど、犯行自体には一定の計画性が認められた。 【争点】 少年である被告人に刑事処分を科すべきか、それとも少年法上の保護処分に付すために事件を家庭裁判所に移送すべきかが争点となった。弁護人は、被告人が幼少期から実母に暴力を振るわれ施設で生活するなど愛情を十分に受けられなかった成育歴やこれに起因する資質等を指摘し、保護処分の相当性を主張した。 【判旨(量刑)】 裁判所は、本件が強盗致死という極めて重大な事案であり、3人がかりで逃走し全く反撃していない被害者に対し特殊警棒・催涙スプレー・ナイフを用いた危険で悪質な犯行方法であること、被告人自身が死因となるナイフによる刺突行為を行い結果発生に重要な役割を果たしたことを踏まえ、弁護人が指摘する成育歴等の事情を最大限考慮しても、保護処分をもって臨むことが許される特段の事情があるとはいえないとして、刑事処分を科すのが相当と判断した。量刑については、強盗を計画提案したのは主に成人の共犯者らであり被告人は従属的立場にあった面があること、被告人が犯行を認め反省を深めようとしていること、叔母が社会復帰後の指導監督を約束していること等を考慮し、無期懲役刑を選択した上で酌量減軽を行い、少年法52条1項に基づく不定期刑として懲役9年以上15年以下に処した(求刑:検察官は懲役10年以上15年以下、被害者参加弁護士は無期懲役)。