AI概要
【事案の概要】 健康器具(加圧ベルト)の企画・製造・販売等を行う原告会社は、委託先が撮影・作成した商品画像(加圧ベルトの写真と「知的財産権承諾済の加圧ベルト」等の文言を組み合わせた画像)の著作権を有していた。被告会社は、YAHOO!JAPANショッピング上に開設した電子商取引サイト「アリシアストア」において原告商品を販売するにあたり、令和元年5月20日頃、商品紹介ページに上記画像を無断で掲載した。原告会社は同月末頃に被告会社に利用中止を通知し、被告会社はその頃画像を削除した。画像の掲載期間は約2週間であり、その間に被告オンラインストアで原告商品が実際に販売された事実は認められなかった。 原告会社は、被告会社及びその代表取締役である被告個人に対し、著作権侵害の不法行為、不当利得、不正競争防止法に基づく混同惹起行為及び信用毀損行為を選択的に主張して連帯して110万円の損害賠償を求めた。また、原告会社の代表者である原告個人も、警察署や法律相談所への相談等の対応を余儀なくされたとして30万円の損害賠償を求めた。 【争点】 主な争点は、(1)原告会社が本件画像の著作権を有するか、(2)著作権侵害による損害額、(3)原告会社の商号の周知性(不正競争防止法2条1項1号)、(4)信用毀損行為の成否(同項21号)、(5)被告代表取締役の重過失の有無(会社法429条)、(6)原告個人固有の損害の有無であった。 【判旨】 裁判所は、本件画像について構図やカメラアングル等を工夫して作成されたものであり美術の著作物と認め、原告会社が著作権を有すると判断した。被告会社が本件画像を被告オンラインストアに掲載した行為は、複製権及び公衆送信権の侵害にあたるとした。損害額については、使用期間が約2週間と短く閲覧数も少なかったと推認されること等の諸事情を考慮し、著作権法114条3項に基づく使用料相当額として5万円が相当と認定した。被告代表取締役についても、被告オンラインストアの責任者であり他に関与者がいた事実も認められないことから、重大な過失があったとして会社法429条に基づく責任を認めた。 他方、不正競争防止法に基づく請求については、原告会社の商号が需要者の間に広く認識されているとは認められないとして混同惹起行為の主張を退け、信用毀損行為についても、無断転売の事実をもって虚偽の事実の告知・流布とは認められないとした。原告個人の損害賠償請求についても、警察への相談等は原告会社代表者としての対応であり、原告個人固有の権利侵害とは認められないとして棄却した。結論として、被告会社及び被告代表取締役に対し各5万円の支払を命じ、その余の請求を棄却した。