入札談合等関与行為の排除及び防止並びに職員による入札等の公正を害すべき行為の処罰に関する法律違反、公契約関係競売入札妨害
判決データ
AI概要
【事案の概要】 防衛省近畿中部防衛局調達部建築課長であった被告人Aが、同局が執行した岐阜県内の公共工事(調査基準価格約55億円)の一般競争入札に関し、建設会社顧問の被告人B(防衛省OB)の依頼を受けて、入札に関する秘密事項である調査基準価格を教示し、被告人Bが顧問を務めていたE株式会社及び同社と取引のあった株式会社Gとの建設共同企業体に同工事を落札させたという、官製談合防止法違反及び公契約関係競売入札妨害の事案である。被告人C(E株式会社支店長)及び被告人D(株式会社G支店長)は、各々支店長として、建設共同企業体が確実に落札できるよう被告人Bに調査基準価格を聞き出すよう指示するなど重要な役割を果たしていた。被告人Aは、令和2年11月12日、大阪市内の居酒屋で被告人Bに対し、調査基準価格50億7228万9429円(税抜き)に近似した金額を教示し、同月20日の入札において上記共同企業体に50億8163万円(税抜き)で落札させた。 【判旨(量刑)】 裁判所は、本件について、調査基準価格に非常に近似した値で落札に成功しており、調査基準価格が約55億円と極めて高額であることにも照らせば、不正な官民癒着によって入札の公正が大いに損なわれたと指摘した。被告人Aについては、定年退職後の再就職先確保という身勝手な動機から安易に被告人Bの誘いに乗ったもので強い非難に値するとした。被告人Bについては、防衛省OBという立場を利用し、再就職先という甘い餌を示して現職公務員を誘いかけたもので、本件犯行の端緒を作った責任は重いとした。被告人C及び被告人Dについては、支店の受注目標達成のためという利欲的な動機であり、弁護人の「会社を思っての行為」との主張は官民癒着により入札の公正をないがしろにしたもので酌量の余地はないとした。他方、各被告人が事実を認めて反省していること、前科がないこと、従前の地位を失うなど社会的制裁を受けていること等を考慮し、被告人Aを懲役2年(執行猶予4年)、被告人B・C・Dをそれぞれ懲役1年6月(執行猶予3年)に処した(求刑:被告人A懲役2年、被告人B・C・D各懲役1年6月)。