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知財

審決取消請求事件

判決データ

事件番号
令和3行ケ10089
事件名
審決取消請求事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2022年11月14日
裁判官
菅野雅之本吉弘行岡山忠広

AI概要

【事案の概要】 本件は、「経皮吸収製剤、経皮吸収製剤保持シート、及び経皮吸収製剤保持用具」に関する特許(特許第4913030号)について、被告(コスメディ製薬株式会社)が特許無効審判を請求したところ、特許庁が本件特許の請求項1及び19に係る発明を無効とする審決をしたため、原告(株式会社バイオセレンタック)がその取消しを求めた審決取消訴訟である。本件発明は、水溶性かつ生体内溶解性の高分子物質(ヒアルロン酸等)からなる基剤に目的物質(薬物等)を保持させ、マイクロニードル(微細な針)の形状に成形して皮膚に挿入することで経皮吸収させる製剤に関するものである。原告は訂正請求を行ったが、特許庁は訂正を認めず無効審決をしたため、原告がその取消しを求めて本件訴訟を提起した。 【争点】 本件の争点は、訂正発明13が引用発明(国際公開第2004/000389号に記載された発明)等に基づいて当業者が容易に発明できたか否か(独立特許要件の充足性)であり、具体的には以下の相違点の容易想到性が問題となった。①相違点1C:高分子物質としてヒアルロン酸等の水溶性かつ生体内溶解性の物質を採用し、基剤を自己溶解するものとした点、②相違点3C:経皮吸収製剤が「基剤、目的物質及び水を含む曳糸性を示す糊状物が乾燥した物」である点。原告は、引用発明にヒアルロン酸を適用する動機付けがなく阻害要因がある、また曳糸性を示す糊状物とすることは容易でないと主張した。 【判旨】 知財高裁は、原告の請求を棄却した。相違点1Cについて、引用発明と甲1-1文献(国際公開第96/08289号)は経皮的薬剤投与という技術分野及び課題解決原理を共通にすること、甲1-1文献にヒアルロン酸が水溶性キャリアとして例示されていること、ヒアルロン酸が水溶性かつ生体内溶解性であり皮膚を貫通する十分な構造的強度を有することは技術常識であること等から、引用発明のポリマーとしてヒアルロン酸を採用することは容易であるとした。阻害要因についても、甲2-1文献が迅速な溶解のみを目的としているとはいえず、ヒアルロン酸を個別に徐放性と指摘する記載もないとして排斥した。相違点3Cについて、ヒアルロン酸が曳糸性を有することは技術常識であり、鋳型法で乾燥させる目的から液体溶液の粘度を高くすることは当業者が適宜なし得ることであるとし、糊状とするか粘稠な液体とするかの差は相対的なものにすぎないとした。顕著な作用効果の主張についても、訂正明細書に曳糸性を示す糊状物を乾燥させる構成の技術的意義の記載がないとして退け、本件審決の判断に誤りはないと結論づけた。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。