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知財

審決取消請求事件

判決データ

事件番号
令和4行ケ10019
事件名
審決取消請求事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2022年11月16日
裁判官
本多知成浅井憲中島朋宏

AI概要

【事案の概要】 本件は、「多角形断面線材用ダイス」に関する特許(特許第6031654号)について、原告(中国金網工業株式会社)が特許無効審判を請求したところ、特許庁が請求不成立の審決をしたため、原告がその取消しを求めた審決取消訴訟である。本件特許は、引抜加工用ダイスのベアリング部の開口部を「略多角形」の断面形状とすることで、開口部の角部に潤滑剤の塊がたまることを防ぎ、線材の製造コスト低減を図る発明に関するものである。被告(株式会社ノブハラ)が特許権者であり、原告は明確性要件違反、サポート要件違反、新規性欠如、進歩性欠如及び手続違背を取消事由として主張した。 【争点】 主要な争点は、特許請求の範囲に記載された「略多角形」との用語が特許法36条6項2号の明確性要件を充たすか否かである。具体的には、(1)「基礎となる多角形断面」と「略多角形」とを客観的な形状から区別できるか、(2)「基礎となる多角形断面」の角部にどの程度の丸みを帯びさせたものが「略多角形」に該当するのかが明らかであるか、が問題となった。原告は、ダイスの製造に用いるワイヤー放電加工で角部に不可避的に生じる丸みと、発明の「略多角形」における積極的に角部を丸めた形状とを区別する客観的基準がないと主張した。被告は、当業者であれば不可避的に生じる丸みと積極的な処理による丸みとの差異を容易に認識できると反論した。 【判旨】 知的財産高等裁判所は、原告の請求を認容し、審決を取り消した。裁判所は、まず「略多角形」の意義について、本件明細書の記載を踏まえ、「基礎となる多角形断面」の角部の全部又は一部を丸める積極的な処理をした図形をいうものと一応解釈できるとした。しかし、ワイヤー放電加工により開口部の角部には不可避的に丸みが生じるため、「基礎となる多角形断面」自体も角部が丸まった形状であり得ることから、客観的な形状からは「略多角形」と「基礎となる多角形断面」とを区別することが困難であると判断した。また、角部の丸みの曲率半径がどの程度を超えれば不可避的に生じる丸みを超えて積極的処理をしたものといえるかの客観的基準がなく、本件明細書にも1辺4mmの四角形断面で曲率半径0.8mm程度の実施例が記載されるのみで、それ以外の多角形を含めて「略多角形」に該当するための判断基準は明らかでないとした。以上から、「略多角形」は第三者の利益が不当に害されるほどに不明確であり、明確性要件に違反するとして、その余の取消事由を判断するまでもなく審決を取り消した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。