固定資産税及び都市計画税賦課決定処分取消請求事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 宗教法人である原告(浄土真宗の別院)は、大阪市内に本堂を有し、その東側の土地(本件ζ土地)上に地上17階建ての商業ビル(ホテル・カフェ等)が建設されている。同ビルは中央部の1階から3階部分が空洞となっており、御堂筋(C)から空洞部分を通り抜けて本堂に参拝できる構造となっている。原告は、この通り抜け可能な部分(本件対象地・587.1㎡)が地方税法348条2項3号の「宗教法人が専らその本来の用に供する境内地」に該当し非課税とされるべきであると主張して、大阪市長がした令和2年度の固定資産税及び都市計画税の賦課決定処分のうち、年税額合計約3億123万円を超える部分の取消しを求めた。原告は本件ζ土地全体について事業者と月額約1723万円の定期借地契約(期間60年)を締結し、不動産賃貸業としての収益を得ていた。 【争点】 1. 本件対象地が地方税法348条2項3号の「宗教法人が専らその本来の用に供する境内地」に該当するか(主位的主張) 2. 本件対象地のうち、上空に建物が存在する部分と参道として用いられている部分(空洞部分等)を割合的に区分し、参道部分を非課税とすべきか(予備的主張) 【判旨】 裁判所は、本件対象地が宗教法人法3条3号の「参道として用いられる土地」としての実質を有し、「境内地」に該当すると認めた。しかし、「宗教法人が専らその本来の用に供する」か否かについては、本件借地契約において本件対象地を含むζ土地全体に借地権が設定され、月額約1723万円の賃料が対象地を含む土地全体の坪数から算出されていること、本件建物がカフェやホテル等の商業施設であり宗教目的との関連性がないことを指摘し、本件対象地は参道として使用されると同時に、原告の収益事業である不動産賃貸業のためにも恒常的に使用されていると認定した。この収益事業のための使用は例外的な使用の程度を超え、不動産賃貸業は宗教目的との関連性も乏しいとして、「専らその本来の用に供する」とはいえないと判断した。予備的主張についても、借地契約上、空洞部分と上空建物部分は区別なく全体として賃貸されており、割合的に区分して一部を非課税とすることはできないとした。請求棄却。