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知財

審決取消請求事件

判決データ

事件番号
令和4行ケ10018
事件名
審決取消請求事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2022年11月21日

AI概要

【事案の概要】 本件は、「感圧転写式粘着テープ及び転写具」に関する特許(特許第5696739号)の無効審判請求不成立審決に対する取消訴訟である。被告は、封筒の封緘等に用いる感圧転写式粘着テープであって、パターン塗工により粘着剤層を基材上に間欠的に配置し、粘着剤層の厚み寸法を10〜100μmに設定するとともに、粘着剤部の塗布面積率を18〜94%に設定することで、粘着テープを剥がした際に紙の表層が破断する「紙破現象」を起こし得るように構成した発明について特許権の設定登録を受けた。原告は、本件特許について特許無効審判を請求したが、特許庁は請求不成立の審決をしたため、原告がその取消しを求めて提訴した。 【争点】 1. 明確性要件違反(取消事由1):本件発明の「紙破現象を起こし得るように構成している」との発明特定事項が不明確か。原告は、「紙破現象」の発生割合や発生条件が特定されておらず、いかなる条件の下でほぼ確実に紙破現象が起こるのか不明確であると主張した。 2. 進歩性欠如(取消事由2):本件発明1ないし11が、甲1発明(特開2001-192625号公報記載の感圧転写粘着テープに関する発明)及び周知技術等に基づいて当業者が容易に想到し得たか。 【判旨】 知財高裁は、原告の請求を棄却した。 明確性要件違反について、裁判所は、本件明細書の記載及び図面を総合すると、「紙破現象」とは粘着製品の粘着剤層を剥離させた際に紙類の表層が粘着剤に付着し紙類が厚み方向に破断する現象をいうと理解でき、「紙破現象を起こし得る」ように構成されているものとそうでないものとの区別は可能であるから、発生割合や発生条件について特定されていなくても第三者に不測の損害を被らせるほど不明確とはいえないと判断した。 進歩性欠如について、裁判所は、「紙破現象」を起こし得る構成に関連する発明特定事項は粘着剤層の厚み寸法(相違点3)と塗布面積率(相違点4)と紙破現象(相違点6)であり、これらは一体として判断すべきであるとした上で、甲1発明は専ら接着力を保持しつつ良好な糊切れ性を有することを目的としており、紙破現象を起こし得るように構成することについての記載も示唆もなく、動機付けがないと判断した。仮に動機付けがあるとしても、原告提出の各文献には紙破現象との関係で有意な粘着剤層の厚みや塗布面積率に関する開示はないとして、進歩性を否定した審決の判断は結論において相当であるとした。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。