AI概要
【事案の概要】 原告(株式会社MONOLITH Japan)は、YouTube上で「令和の虎CHANNEL」を運営し動画を配信していたところ、被告がlivedoor Blogに開設した「チラシの裏」と題するブログにおいて、原告の動画8本からキャプチャした静止画合計364枚を時系列に沿って貼り付け、動画内容の要約や感想と共に掲載した。原告は、被告の行為が著作権(複製権及び公衆送信権)を侵害するとして、使用料相当額、発信者情報開示手続費用及び弁護士費用の合計984万9845円の損害賠償を求めた。 【争点】 1. 引用の抗弁(著作権法32条1項)の成否 被告は、各記事において被告の創作した文章が主であり静止画が従であるとして、適法な引用に該当すると主張した。 2. 時事の事件の報道の抗弁(同法41条)の成否 被告は、一般企業家の事業計画と投資家の判断という近時の出来事を伝達するものであり、時事の事件の報道に当たると主張した。 3. 権利濫用の抗弁の成否 被告は、原告が「切り抜き動画」制作者の恩恵を享受しながら被告に著作権を行使することは権利濫用であると主張した。 4. 損害額 【判旨】 裁判所は、被告の各抗弁をいずれも排斥した。引用の抗弁については、各記事で使用された静止画が約30〜60枚と多数に上り量的に最も多くの割合を占めること、静止画と要約が相まって約45分の動画内容全体の概略を把握し得る構成となっている一方、被告の感想は概括的なものにとどまることから、引用の目的との関係で社会通念上必要とみられる範囲を超えるとした。時事の事件の報道の抗弁については、本件動画はエンタテインメントとして制作されたものであり「時事の事件」に該当せず、記事の投稿も「報道」とはいえないとした。権利濫用の抗弁については、原告が利用を許諾した「切り抜き動画」と被告の無許諾での利用は全く異なるとして排斥した。 損害額については、映像の使用料に関する各テレビ局等の料金規定を参照しつつ、静止画を時系列に並べて動画内容全体を概略把握し得るようにした使用態様は映像の使用に準ずるものとして、使用料相当額を200万円と認定した。発信者情報開示手続費用20万円及び弁護士費用22万円と合わせ、合計242万円の損害賠償を認容した。