AI概要
【事案の概要】 家庭用雑貨等の販売会社である原告が、インターネット上で物品販売を行う個人である被告に対し、被告がYahoo!ショッピングの店舗サイトにおいて、原告が著作権を有するデンマーク製キッチンブランド「SCANPAN」のフライパンに関する商品画像8点(写真・説明文を組み合わせたデザイン画像)を無断で掲載したことが、原告の著作権(複製権及び送信可能化権)を侵害するとして、不法行為に基づく損害賠償金19万9998円及び遅延損害金の支払を求めた事案である。原告は、株式会社いつもに制作を委託して本件各画像を作成させ、著作権の譲渡を受けた上で、楽天市場等で商品販売に使用していた。被告は、令和3年3月頃から同年5月頃まで、3種類の商品について各ページを設け、本件各画像を掲載して販売を行っていた。 【争点】 1. 本件各画像の著作物性:被告は、フライパンの宣伝画像は誰が作成しても似たような構成になり、ありふれた表現にとどまるとして著作物性を争った。 2. 故意又は過失の有無:被告は、著作権に精通しておらず、原告サイトの著作権表示を確認していなかったとして過失を否認した。 3. 損害額:原告は1ページ当たり6万6666円に3ページ分を乗じた19万9998円を主張し、被告は閲覧者がほとんどいなかったこと等から損害の推定はできないと争った。 【判旨】 裁判所は、本件各画像の著作物性を全て認めた。本件画像①ないし④については、撮影の構図・ピント・シャッター速度等に工夫がされた写真と説明文を組み合わせ、商品の魅力を工夫して表現する点に作成者の個性が表れているとした。本件画像⑤ないし⑧についても、背景・ロゴ・文字等の組合せや撮影上の工夫に創作性を認めた。過失については、原告サイトに著作権帰属の表示や無断使用禁止の警告が明記されていたにもかかわらず、被告が何らの調査もせずに画像を掲載した事実から、過失は明らかであるとした。損害額については、本件各画像が一体として使用されるよう作成されていたこと、第三者への使用許諾が想定されていなかったこと、被告サイト一店舗に限り約2か月半掲載されたにすぎないこと等を考慮し、著作権法114条3項に基づく損害額を合計5万円と認定した。原告が主張したページ数に応じた算定方法は、本件画像①ないし⑧が全体として一体のものであるとして採用しなかった。