AI概要
【事案の概要】 私立高校に在籍していた女子生徒(原告)が、校則で禁止されていた男女交際を理由に、学校長から自主退学勧告を受けて退学した。原告は、①校則(男女交際禁止)が社会通念に照らし不合理で無効であり、自主退学勧告は裁量権の逸脱・濫用で違法であるとして慰謝料等374万円余、②教員による執拗な事情聴取がプライバシー等を侵害し違法であるとして330万円の損害賠償を、学校法人(被告)に対し使用者責任に基づき請求した。 【争点】 ①男女交際を禁止する校則の有効性、②自主退学勧告の違法性(裁量権逸脱の有無)、③事情聴取の違法性、④損害額。 【判旨】 裁判所は、校則の有効性は認めつつも、自主退学勧告については裁量権の逸脱があり違法と判断し、97万5426円の賠償を命じた。 ①校則の有効性について、私立学校は建学の精神に基づく独自の教育方針を校則で具体化できるところ、本件校則は生徒を学業に専念させる目的で社会通念に照らし合理的であり、有効である。 ②自主退学勧告について、校則違反の態様(高校生の男女交際自体は社会通念上許容されないわけではない)、原告の平素の行状が良好で懲戒処分歴もないこと、教育的指導により遵守が期待できたこと、交際が他の生徒の学習環境に具体的支障を与えていなかったこと、大学受験直前期の原告への影響が極めて重大であったこと等を総合すると、学外排除が教育上やむを得ない状況にはなかった。本件慣例(性交渉を伴う交際は一律に自主退学勧告)を形式的に適用し、個別事情を考慮しなかった点で社会通念上著しく妥当を欠き、裁量権の範囲を超える違法がある。 ③事情聴取については、校則違反の確認に必要な行為であり、態様も威圧的でなかったとして違法性を否定。 ④損害は慰謝料80万円、編入費用8万5426円(授業料返金を控除)、弁護士費用9万円の合計97万5426円と認定した。