特許権侵害差止等請求事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 加熱式タバコ「IQOS」の製造販売元であるフィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム(原告)が、加熱式タバコ「glo」の販売元であるブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパン合同会社(被告)に対し、被告製品(glo本体及び専用タバコ「Neosticks」)が原告の有する電気加熱式喫煙システムに関する2件の特許権(特許第6210610号・第6210611号)を侵害するとして、製品の譲渡等の差止め・廃棄及び損害賠償金1億円の支払を求めた事案である。 【争点】 (1) 被告製品が本件各発明の技術的範囲に属するか(構成要件充足性) (2) 無効の抗弁の成否(乙1公報・乙66公報・乙68公報等を主引用例とする進歩性欠如、新規性欠如、明確性要件違反、実施可能要件違反、サポート要件違反) (3) 損害額 (4) 差止め等の必要性 【判旨】 請求棄却。裁判所は、まず構成要件充足性について、被告製品(glo本体)が「導電トラック」「電気絶縁基体」「熱絶縁要素が金属を含む」等の構成要件をいずれも充足し、本件各発明の技術的範囲に属すると認定した。しかし、無効の抗弁について、独国特許出願公開第19854005号明細書(乙68公報)を主引用例とする進歩性欠如の主張を検討し、乙68公報に記載された吸入装置の発明と本件各発明との相違点(電気絶縁基体の材質がポリイミドであること、管状に巻かれていること、熱絶縁要素が金属を含むこと等)はいずれも周知技術の適用により容易に想到し得るものであると判断した。以上から、本件各特許は無効にされるべきものと認められ、原告は被告に対しその権利を行使することができないとして(特許法104条の3第1項)、被告製品の間接侵害の成否を判断するまでもなく、原告の請求をいずれも棄却した。