行政文書不開示決定処分取消請求控訴事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 控訴人ら(6名)が、情報公開法に基づき、内閣官房副長官補に対し、東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会(政府事故調)が作成した聴取結果書の開示を請求したところ、その全部又は一部を不開示とする決定を受けたため、当該不開示決定の一部取消し及び開示決定の義務付けを求めた事案の控訴審である。原審(東京地裁)は、不開示部分に記録された情報は情報公開法5条各号所定の不開示情報に該当し適法であるとして取消請求を棄却し、義務付けの訴えを却下した。 【争点】 (1) 政府事故調の聴取結果書の不開示部分が情報公開法5条5号(審議・検討情報)及び同条6号柱書き(事務・事業情報)に該当するか (2) 公務員の聴取結果書は原則として開示されるべきか (3) 聴取結果書中の「説明部分」や「客観的データ」は不開示情報から除外されるべきか (4) 情報公開法5条2号ロとの対比から同条5号・6号の要件を厳格に解釈すべきか (5) 政府事故調が最終報告を公表し任務を終えたことで5条5号該当性が否定されるか 【判旨】 控訴棄却。裁判所は、本件不開示部分はいずれも情報公開法5条各号の不開示情報に該当し、原決定は適法であると判断した。主な理由は以下のとおりである。 政府事故調は、本件事故の真の原因究明のため、責任追及を目的とした調査は行わないこととし、被聴取者が非開示を希望する部分は開示しないとするヒアリング方針を採用した。被聴取者はこの方針に対する信頼を前提にヒアリングに応じたものであり、不開示希望情報を公にすれば、当該信頼が損なわれ、将来の重大事故調査において関係者の任意の協力が得られなくなるおそれがある。公務員であっても、ヒアリング方針に対する信頼を保証すべき必要性は変わらず、公務員の聴取結果書が原則開示されるべきとの主張は採用できない。また、説明部分や客観的データについても、被聴取者は聴取結果書全部の不開示を希望しており、これらの部分のみ開示に同意していたとは解されない。情報公開法5条2号ロとの対比による厳格解釈の主張についても、両規定は対象を異にするため当然に同様の解釈はできず、仮に同様に解しても不開示は合理的であるとした。