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下級裁

傷害致死

判決データ

事件番号
令和2わ1200
事件名
傷害致死
裁判所
大阪地方裁判所
裁判年月日
2022年12月2日
裁判官
西川篤志久博一伊藤佳子

AI概要

【事案の概要】 被告人は、令和元年5月19日午後9時頃から午後9時53分頃までの間、堺市内の自宅浴室において、実子である被害者(当時7か月の乳児)に対し、頸部を手で圧迫するなどの暴行を加え、窒息により死亡させたとして起訴された殺人被告事件である。 【争点】 乳児の死因が、被告人の暴行による窒息死か否かが争われた。検察官は、窒息死に矛盾しない所見が存在し、内因性疾患による突然死は否定されるとして、死因は被告人の暴行による窒息死であると主張した。弁護人は、窒息を認定する積極的根拠がなく、心臓突然死の可能性が否定できないと主張した。 【判旨(量刑)】 無罪。 裁判所は、以下の理由から犯罪の証明がないと判断した。 第一に、医学的所見について、乳児には窒息死と矛盾しない急死所見が認められるが、これらは心臓突然死とも矛盾しないものであり、窒息死であったことを積極的に示す所見は存在しなかった。窒息の手段を示す所見もなく、除外診断による窒息死の認定はより厳格に行うべきである。 第二に、遺伝子変異について、乳児にはSCN5A-F532C及びAKAP9-E744Qの2つの変異が認められた。検察官側の遺伝学専門家であるF博士は、国際的な公式指針に基づきいずれも病原性があるとはいえないと証言したが、裁判所は、当該公式指針が臨床における誤診回避のために病原性を厳しく判断する方向に作用する基準であり、刑事裁判でその姿勢をそのまま徹底すると被告人を有罪と誤判する危険を高めかねないと指摘した。弁護側のE医師の証言や関連論文等を踏まえ、変異が単独又は複合して致死性不整脈等を生じさせた可能性は否定できないとした。 第三に、被告人の言動について、友人への「じゃれ合い」発言は記憶が断片的で趣旨が明確でなく、嫌疑を払拭するために記憶と異なる事実を告げた可能性も否定できず、暴行の認定根拠とならないとした。被告人が日頃から乳児を慈しんでいた事実も認められ、暴行の動機も窺われないとした。 以上から、被告人が暴行を加えて乳児を窒息死させた事実につき、常識に照らして間違いないといえるほどの立証がされているとはいえないとして、刑事訴訟法336条により無罪を言い渡した(求刑:懲役5年)。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。