商標権侵害差止等請求事件、不正競争行為差止等請求事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 本件は、2つの事件からなる。第1事件は、自転車用商標「LEADER BIKE」の商標権を有する台湾法人の原告が、日本国内の自転車販売店である被告(株式会社BROTURES)に対し、類似標章を付した自転車等の販売が商標権侵害に当たるとして、販売差止め・廃棄・ウェブサイトからの標章削除及び損害賠償1000万円を求めた事案である。第2事件は、被告が原告の日本販売代理店(株式会社リーダーバイクジャパン)に対し、被告の商品等表示が周知であるとして不正競争防止法に基づく差止め・損害賠償を求めた事案である。旧リーダー社(米国法人)は2016年頃に破産し、原告は破産手続を通じて本件商標権を取得した。被告は旧リーダー社の日本国内独占販売代理店であったが、旧リーダー社倒産後も無断で類似標章を付した自転車を第三者から輸入・販売していた。 【争点】 (1)被告の先使用権(商標法32条1項)の成否、(2)原告の商標権行使が権利濫用に当たるか(不当目的・商標法4条1項11号違反)、(3)損害額、(4)第2事件における被告表示の周知商品等表示該当性。 【判旨】 裁判所は、第1事件の原告請求を全部認容し、第2事件の被告請求を全部棄却した。先使用権については、被告の店舗数・広告活動等に照らし、商標登録出願時に被告標章が日本全国の需要者に広く認識されていたとは認められず、また被告は旧リーダー社の商品を販売する代理店にすぎず、本件商標は旧リーダー社の商品表示としてのみ認識されていたと判断した。権利濫用の主張についても、原告は旧リーダー社の製造元として破産手続を通じ正当に商標権を取得しており、被告こそ旧リーダー社倒産後に無断で類似品を製造・販売し正規代理店を詐称していたとして排斥した。商標法4条1項11号違反を理由とする権利濫用については、除斥期間経過後は先願商標の商標権者でない被告がこれを主張することは許されないとした。損害額は商標法38条2項に基づき5506万円余に弁護士費用300万円を加えた5806万円余と認定し、一部請求の1000万円を認容した。第2事件については、被告表示は旧リーダー社の商品表示であり、原告側にとって「他人の商品等表示」に該当しないとして請求を棄却した。