AI概要
【事案の概要】 女性用着圧下着「シックスパックシェイプインナー」を販売する原告が、「シックスパック美腹筋タンクトップ」を販売する被告に対し、被告商品は原告商品の形態を模倣した商品であり、被告による販売行為が不正競争防止法2条1項3号の不正競争(商品形態模倣行為)に該当すると主張して、同法4条に基づき損害賠償金2184万3000円及び遅延損害金の支払を求めた事案。原告商品は、アンダーバストの着圧部、腹部に腹筋に沿った縦横の着圧部と生地のたるんだ部分(8等分に割れた腹筋を視覚的に感得させるもの)、脇腹から腰にかけての着圧部、背中の交差した着圧部を備えた女性用下着である。被告代表者はかつて原告の従業員であった。 【争点】 ①原告商品の形態が不正競争防止法2条1項3号で保護される商品形態に当たるか、②被告商品は原告商品の形態を模倣した商品に該当するか(形態の実質的同一性・依拠性)、③損害額。 【判旨】 一部認容(498万5736円)。 争点①につき、被告はエクスレンダー等の先行商品を挙げて原告商品の形態はありふれていると主張したが、裁判所は、先行商品はいずれも腹部の縦方向の着圧部が3本であるのに対し原告商品は1本であるなど、正面視において一見して明らかな相違があり、商品全体としての印象が異なるとして、原告商品の形態はありふれたものではなく保護対象に当たると判断した。 争点②につき、被告商品は原告商品の構成態様A〜Dを全て備え、商品全体の形態が酷似していると認定。被告が主張した色味・伸び寸・着圧部の織り模様・ポケットの形状等の10項目の相違点については、いずれも商品全体からみると些細な相違にとどまるとして、形態の実質的同一性を肯定した。依拠性についても、被告が中国工場に電話で抽象的に依頼しただけで偶然に原告商品に酷似した商品が完成したとは考え難く、デザイン創作過程を裏付ける客観的証拠もないとして、原告商品への依拠を認めた。 損害額については、原告商品の単位数量当たりの利益413円に被告商品の譲渡数量1万6096枚を乗じ、販売経路の相違(カタログ販売対インターネット販売)、価格差(1980円対1280円)、競合品の存在を考慮して25%の推定覆滅を認め、498万5736円と算定した。