AI概要
【事案の概要】 原告(RX Japan株式会社)は、「計測・検査・センサ展」(標準文字)の商標登録出願をしたが、特許庁から商標法3条1項3号(役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標)に該当するとして拒絶査定を受けた。不服審判請求も不成立とされたため、審決の取消しを求めて知的財産高等裁判所に提訴した。指定役務は第35類(商品見本市・展示会の企画及び運営等)及び第41類(展示会・セミナー等の企画・運営又は開催等)である。 【争点】 本願商標「計測・検査・センサ展」が商標法3条1項3号に該当するか否か。具体的には、展示会業界における「○○展」の文字が役務の質(内容)の表示にすぎないのか、それとも特定人が開催する展示会の固有名称として自他役務識別機能を有するのかが争われた。 【判旨】 知財高裁は、原告の請求を棄却した。まず、商標法3条1項3号該当性の判断基準として、需要者又は取引者によって当該商標が指定役務の質を表示するものであろうと一般に認識され得ることをもって足りるとした。そのうえで、「計測」「検査」「センサ」はいずれも辞書に掲載された一般的な用語であり、「展」は「展示会」又は「展覧会」の略語として普通に用いられていること、展示会業界では展示対象を示す文字に「展」を付した「○○展」の形式が多数使用されている実情があることを認定した。これらを総合し、本願商標は「計測」「検査」及び「センサ」を展示対象とする展示会を意味するものとして役務の質を普通に用いられる方法で表示するものと認定した。原告の「○○展」は展示会の固有名称として機能するとの主張に対しては、「○○展」が固有名称であるとしても展示内容や質を表すことは十分あり得るとして排斥した。独占適応性についても、他の事業者が同種の展示会を開催する際に同一又は類似の標章を用いることは当然想定されるとし、登録例の存在についても常に識別力を有するとは認められないとした。