発信者情報開示請求事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 YouTuberである原告が、ツイッター上で氏名不詳者が原告の著作物を無断利用したとして、プロバイダ責任制限法5条2項に基づき、経由プロバイダであるエキサイト株式会社に対し発信者情報の開示を求めた事案。原告はYouTube動画内のキャプション(国土交通省担当者との道の駅車中泊に関するやりとり)及びツイッターへの投稿文について著作権を主張。氏名不詳者は、動画からキャプション部分を切り抜いた画像を添付したツイート(本件ツイート①)と、原告のツイートをスクリーンショットした画像を添付したツイート(本件ツイート②)を投稿していた。 【争点】 ①本件各ツイートにより原告の著作権が侵害されたことが明らかか(著作物性、著作権侵害の有無、引用の成否)、②発信者情報開示の正当理由の有無、③ログイン情報の送信が侵害関連通信に該当するか、④発信者情報が侵害関連通信に係る発信者情報に該当するか。 【判旨】 一部認容・一部棄却。裁判所は、本件各キャプション(⑴〜⒁)について、いずれもごく短くありふれた表現であり創作性を有するとはいい難いとして著作物性を否定した。他方、本件原投稿(ツイート文)については、140字の文字数制限の中で幅のある表現から選択してまとめたものであり、ありふれた表現とはいえないとして著作物性を肯定した。本件ツイート②による本件原投稿の複製権・公衆送信権侵害を認定した上で、被告が主張する引用(著作権法32条1項)の抗弁については、ツイート本文よりも添付画像内の原投稿の文章の分量が多く主従関係が認められないこと、言語の著作物の批評にスクリーンショット画像をそのまま添付する必要性があったとまではいい難いことから、引用の目的上正当な範囲で行われたものとは認められないとして排斥した。侵害関連通信該当性及び発信者情報の開示範囲についても原告の主張を認め、本件ツイート②に係る発信者情報の開示を命じた。