建造物侵入、窃盗、邸宅侵入幇助、住居侵入幇助、窃盗幇助
判決データ
- 事件番号
- 令和4わ546
- 事件名
- 建造物侵入、窃盗、邸宅侵入幇助、住居侵入幇助、窃盗幇助
- 裁判所
- 大阪地方裁判所
- 裁判年月日
- 2022年12月14日
- 裁判官
- 西川篤志
AI概要
【事案の概要】 被告人は、夫Aが経営する建築・解体会社で資材運搬等を担っていた女性である。第1事件として、令和3年9月29日深夜、A、B、Cと共に奈良県内の会社事務所に赴き、Aが侵入盗を実行する間、現場付近で車内待機していたとして建造物侵入・窃盗の共謀共同正犯に問われた。第2事件として、同年12月1日未明、Aの電話指示で資材置場から脚立を大阪市内の現場まで運搬してAに引き渡したところ、Aはこの脚立を用いて邸宅に侵入し強盗殺人に及んだことから、邸宅侵入幇助・住居侵入幇助・窃盗幇助に問われた。 【争点】 被告人が、第1事件においてAらの侵入盗を認識していたか、第2事件において脚立運搬時にAの侵入盗の意図を認識していたか。 【判旨(量刑)】 無罪(求刑:懲役2年6月)。 第1事件について、共犯者Aは被告人に見張りを指示した旨供述し、その供述自体は信用できると認定した。しかし、Aは被告人に「集金に行く」としか告げておらず、見張りの指示も「集金先とのトラブルで相手が警察に通報した場合に備えるもの」と受け取れるニュアンスで伝えた旨供述しており、この供述を排斥する主張・立証が検察官からなされていないことから、被告人がAの侵入盗を認識していなかった合理的疑いが残るとした。加えて、被告人は犯行後に窃取した金庫の開披場面に立ち会っておらず、利得への関心を示していなかったことも、共謀不成立の合理的疑いを強めるとした。 第2事件について、被告人は「夜勤の仕事で脚立が必要と思った」と供述し、Aも脚立の用途を説明せず単に運搬を依頼しただけであること、同社では深夜に脚立を使う作業が過去にも複数回あったことを供述しており、被告人が侵入盗の意図を認識していなかった合理的疑いを払拭できないとした。犯行後にAから奪取品の一部を受領した事実も、事後の出来事に過ぎず、脚立引渡し時点での認識を推認するには不十分とした。以上から、第1・第2事件いずれについても犯罪の証明がないとして無罪を言い渡した。