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知財

審決取消請求事件

判決データ

事件番号
令和3行ケ10129
事件名
審決取消請求事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2022年12月21日
裁判官
菅野雅之本吉弘行中村恭

AI概要

【事案の概要】 本件は、CRISPR/Cas9システムを用いた真核細胞における標的DNAの切断のための組成物に関する特許出願(ツールゲン社)について、特許庁が進歩性欠如を理由に拒絶査定不服審判請求を不成立とした審決に対し、原告がその取消しを求めた審決取消訴訟である。本願発明は、核局在化シグナルを有するCas9ポリペプチドとキメラガイドRNAを含み、真核細胞中の標的DNAを切断するためのCRISPR/Casシステム組成物に関するものである。引用発明(Jinek et al., Science 2012)との相違点は、①本願発明が「真核細胞」における標的DNA切断のための組成物であり、Cas9ポリペプチドが核局在化シグナルを有する点(相違点1)、②Cas9ポリペプチド及びガイドRNAがそれらをコードする核酸である態様を含む点(相違点2)であった。 【争点】 相違点1の容易想到性判断の当否が主要な争点である。具体的には、(1)引用発明のCRISPR/Cas9系を真核細胞に適用する動機付けの有無、(2)原核細胞と真核細胞の相違に基づく阻害要因(タンパク質分解、RNA分解、核内移行困難、クロマチン構造、オフターゲット効果等)の存否、(3)核局在化シグナルの付加がいわゆる「容易の容易」に当たるか、(4)本願発明に予測できない顕著な効果があるかが争われた。 【判旨】 知財高裁は、原告の請求を棄却した。まず相違点1Aについて、引用文献1にはCRISPR/Cas9系がゲノム編集に有用であることが示唆され、ZFNやTALENに替わる新たなゲノム編集手段として提案されていたと認定した。本願第1優先日当時、ゲノム編集の主たる対象は真核細胞であり、ZFNやTALENが真核細胞中のゲノムを切断するものであることは技術常識であったから、引用文献1に接した当業者は真核細胞への適用を試みるものといえるとした。原告主張の7つの阻害要因については、原核細胞と真核細胞の相違から生じ得る事象の「一般的・抽象的な可能性又は懸念」にとどまり、具体的に克服すべき課題を示すものではないとして排斥した。相違点1Bについても、核局在化シグナルの付加はタンパク質を核内に移行させるための常套手段であり、真核細胞への適用と同時に当然導き出されるものであって「容易の容易」には当たらないと判断した。顕著な効果についても、真核細胞における標的DNA切断組成物であれば当然備えることが予想される範囲内の効果にすぎないとして否定し、本願発明は引用発明及び周知技術から容易に発明できたものであると結論づけた。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。