審決取消請求事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 本件は、レゴグループの持株会社である原告が、レゴミニフィギュアの立体的形状について立体商標の登録出願をしたところ、特許庁が商標法3条1項3号(商品の形状を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標)に該当し、かつ同条2項(使用による識別力の獲得)の要件も満たさないとして登録を認めない審決をしたため、原告がその取消しを求めた審決取消訴訟である。本願商標は、丸みを帯びた円柱形の頭部(頂上に小さな突起部あり)、台形の胴体、ロボットの手のような形状の両手、略直方体の両足からなる人型の立体商標であり、指定商品は第28類の「おもちゃ、組立おもちゃ」等であった。原告商品であるレゴミニフィギュアは1978年(昭和53年)から日本を含む世界各国で販売が開始され、相当な販売数量と広告宣伝の実績を有していた。 【争点】 1. 本願商標の商標法3条1項3号該当性(商品の形状を表示するにすぎないか) 2. 本願商標の商標法3条2項該当性(使用により自他商品識別力を獲得したか) 【判旨】 知的財産高等裁判所は、原告の請求を棄却した。争点1について、裁判所は、商品等の立体的形状は多くの場合、機能や美観を目的として選択されるものであり、機能又は美観上の理由による形状の選択として予測し得る範囲のものである限り、商標法3条1項3号に該当すると判示した。本願商標の各特徴(頭部の突起、台形の胴体、手先の形状等)は、帽子や髪の取り付け、道具を握らせる機能、倒れにくさや見た目の良さといった機能又は美観上の目的から採用されたものであり、「人型のおもちゃ」の形状として予測し得る範囲にとどまるとした。争点2について、裁判所は、原告商品は通常、頭部の上に頭髪等の部品が付された完成形で販売・宣伝されており、本願商標のような素体部分のみの形状で需要者に認識されてきたとは認められないと指摘した。さらに、原告商品の販売に当たっては「LEGO」「レゴ」等の文字商標が重要な出所識別機能を果たしており、立体的形状のみで自他商品識別力を獲得したとは認められないとした。原告が提出したアンケート調査についても、本願商標の画像から原告を想起した回答者は約30%にとどまり、それ以外のブランドを選択した回答者の方が多いことから、識別力の獲得を裏付けるものではないと判断した。