損害賠償等請求事件
判決データ
- 事件番号
- 令和1受1166
- 事件名
- 損害賠償等請求事件
- 裁判所
- 最高裁判所第三小法廷
- 裁判年月日
- 2021年1月12日
- 裁判種別・結果
- 判決・破棄差戻
- 裁判官
- 戸倉三郎、林景一、宮崎裕子、宇賀克也、林道晴
- 原審裁判所
- 東京高等裁判所
AI概要
【事案の概要】 上告人は、Aが起こした強盗致傷事件の被害者である。Aの父Bは、被上告人が運転する自動車事故(本件事故)により死亡し、その相続人は妻C及び子A・D・Eであった。上告人は、本件相続人らに対する強盗致傷事件の損害賠償請求権を請求債権として、本件相続人らが被上告人に対して有する本件事故の損害賠償請求権(合計約4822万円)を仮差押えした。その後、被上告人と本件相続人らは、損害賠償金を合計約4063万円とする示談(本件示談)を成立させた。上告人は、転付命令により本件損害賠償請求権を取得し、被上告人に対して約4822万円の支払を求めた。 【争点】 仮差押えを受けた債権について、仮差押債務者と第三債務者が債権額を確認する示談をした場合、仮差押債権者はその示談金額に拘束されるか。すなわち、上告人は本件示談金額(約4063万円)を超える額の請求をすることができるか。 【判旨】 破棄差戻し。債権の仮差押えを受けた仮差押債務者は当該債権の処分を禁止されるから、仮差押債務者がその後に第三債務者との間で当該債権の金額を確認する旨の示談をしても、仮差押債務者及び第三債務者は、仮差押債権者を害する限度において、当該示談をもって仮差押債権者に対抗することができない。本件示談は仮差押え後にされたものであり、示談金額が実際の損害賠償請求権の合計額を下回る場合には上告人を害することになるから、被上告人はその害する限度において本件示談を上告人に対抗できない。損害賠償請求権が不法行為に基づくものであることや、示談金額が社会通念上相当であることは、この判断を左右しない。上告人が示談金額を超える請求ができないとした原審の判断には法令の解釈適用を誤った違法があり、損害賠償請求権の金額等について更に審理を尽くさせるため原審に差し戻す(裁判官全員一致)。