AI概要
【事案の概要】 原告は、「久保田メソッド(AKANON)」の文字を標準文字で表した商標(本件商標)の商標権者である。指定役務は第41類の「乳幼児のための技芸・スポーツ又は知識の教授」等であった。被告(株式会社主婦の友社)は、本件商標について商標登録無効審判を請求した。特許庁は、本件商標が引用商標1(「久保田メソード」「KUBOTA METHOD」等の文字と赤ちゃんの図形からなる商標)及び引用商標2(高齢女性のイラストと「クボタメソッド」等の文字からなる商標)と類似するとして、指定役務のうち「乳幼児のための技芸・スポーツ又は知識の教授、乳幼児のためのセミナーの企画・運営又は開催、電子出版物の提供」について登録を無効とする審決をした。原告はこの審決の取消しを求めて本件訴訟を提起した。 【争点】 本件商標が商標法4条1項11号(先願の他人の登録商標と同一又は類似の商標)に該当するか。具体的には、(1)本件商標から「久保田メソッド」の部分を要部として抽出できるか、(2)引用商標から「久保田メソード」「KUBOTA METHOD」「クボタメソッド」の部分を要部として抽出できるか、(3)各要部を対比した場合に本件商標と引用商標は類似するか、が争われた。原告は、「久保田メソッド」はありふれた姓氏と「方法、方式」を意味する語の結合にすぎず役務の質を表示するものであるから出所識別機能を有さず、本件商標の要部は造語である「AKANON」の部分であると主張した。 【判旨】 請求棄却。知財高裁は、本件商標中の「久保田メソッド」の部分について、括弧内の「AKANON」は造語で特定の観念を生じないこと、括弧は補充・注釈の記号であり括弧外の文字が主として認識されること、「久保田メソッド」は日本語表記で先に配置され目立つこと、全体の称呼がやや冗長で「クボタメソッド」と略称され得ること等を考慮し、「久保田メソッド」の部分が出所識別標識として支配的な印象を与えると判断した。また、姓氏と「メソッド」を結合した商標は「ある者による方法、方式」の意味も有し、直ちに役務の質のみを表示するとはいえないとして、出所識別機能を否定する原告の主張を退けた。引用商標についても同様に「久保田メソード」等の部分を要部として抽出し、両者の称呼・観念が共通することから、本件商標と引用商標は類似すると認定し、審決の判断に誤りはないとした。