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知財

審決取消請求事件

判決データ

事件番号
令和1行ケ10144
事件名
審決取消請求事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2021年1月21日
裁判官
菅野雅之本吉弘行岡山忠広

AI概要

【事案の概要】 本件は、「地熱発電等温泉システム」と名称する発明について特許出願をした原告が、特許庁から拒絶査定を受け、さらに拒絶査定不服審判においても「本件審判の請求は成り立たない」との審決を受けたことから、その取消しを求めた審決取消訴訟である。 原告の本願発明は、温泉業界の地熱発電反対を抑止するため、(1)地熱発電用の井戸を掘らないこと、(2)既存の温泉の源泉からのお湯で発電すること、(3)発電により源泉の温度を下げること、(4)入浴に適する温度に下げた温泉を温泉業者に提供すること、(5)温泉業者の源泉低温化のコストを不要にしてメリットを与えること、という五つの組み合わせにより地熱発電を促進する方法に関するものであった。特許庁は、引用文献(特開2013-133705号公報)に記載された熱水蒸気発電装置に関する発明と本願発明は一致し相違点がないとして、特許法29条1項3号(新規性欠如)に該当すると判断した。 【争点】 本願発明と引用発明との間に相違点が存在するか否か、すなわち本願発明の新規性判断の当否が争点である。原告は、(1)引用発明には「地熱発電用の井戸を掘らない」という発想がない、(2)引用発明は発電により源泉の温度を下げるものではない、(3)入浴に適する温度に下げた温泉を提供するものではない、(4)引用発明は「五つの組み合わせ」に相当する構成を有しない、と主張し、これらの相違点を看過した審決には誤りがあると争った。 【判旨】 知的財産高等裁判所は、原告の請求を棄却した。裁判所は、引用文献の記載から、引用発明が既設の温泉利用設備の源泉を吸い上げる機構を利用するものであり、地熱発電専用の井戸を掘る必要がないことは明らかであるとした。また、蒸気タービンにおいて断熱膨張により蒸気の温度が低下することは技術常識であり、復水器内部が真空に近い圧力まで低下する場合の水蒸気の凝縮温度が約30〜40度であることも認定した。さらに、引用文献において発電後の熱水が「温水」として温泉設備に還流されることが記載されていることから、入浴に適する温度で温泉業者に提供される構成も含まれると判断した。以上を総合し、引用発明は本願発明の「五つの組み合わせ」に相当する事項をすべて備えており、両発明に相違点は存在しないとして、新規性を欠くとした審決の判断に誤りはないと結論づけた。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。