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知財

特許権侵害に基づく損害賠償請求控訴事件

判決データ

事件番号
令和2ネ10003
事件名
特許権侵害に基づく損害賠償請求控訴事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2021年1月25日
裁判官
鶴岡稔彦上田卓哉都野道紀
原審裁判所
東京地方裁判所

AI概要

【事案の概要】 本件は、発明の名称を「携帯電話、Rバッジ、受信装置」とする特許第4789092号の特許権を有する控訴人(株式会社モビリティ)が、被控訴人(シャープ株式会社)の製造・販売するスマートフォン(被告製品)が本件特許の技術的範囲に属するとして、特許権侵害に基づく損害賠償1億円の支払を求めた事案の控訴審である。本件特許は、RFIDインターフェースを利用してRバッジ(RFタグ)の固有IDにより携帯電話の本人認証を行い、認証後の所定時間に限り被保護情報へのアクセスを許可するという技術に関するものである。原審は、本件特許が先行発明に対して進歩性を欠き、また拡大先願違反にも当たるとして無効と判断し、請求を棄却した。控訴人は控訴するとともに訂正審判を請求し、構成要件Cを「Rバッジを一意に識別できる識別情報を要求する」旨に訂正する審決を得た上で、訂正後の発明(本件訂正発明)に基づき侵害を主張した。 【争点】 主な争点は、(1)被告製品の「画面ロック解除制御手段」が本件訂正発明の「アクセス制御手段」を充足するか(構成要件充足性)、(2)本件訂正発明が乙11発明との関係で進歩性を欠くか、(3)乙16発明との関係で拡大先願違反に当たるかである。特に(1)に関し、被告製品においてNFCインターフェースを有するICカードをかざすことで画面ロックが解除される機能が、特許の「被保護情報に対するアクセスを許可または禁止する」手段に該当するかが中心的に争われた。 【判旨】 知財高裁は、構成要件充足性の争点について詳細に検討し、被告製品は本件訂正発明の構成要件を充足しないとして控訴を棄却した。まず、被告製品の「画面ロック解除」は画面を介した操作を可能にするものにすぎず、被保護情報へのアクセスの許可・禁止そのものではないと認定した。画面ロックを解除しても常に被保護情報へのアクセスが行われるわけではなく、公開情報の検索に終始する場合もあり得る一方、画面ロック状態でも自動改札通過時の乗車券情報アクセスや電話着信時の電話帳照合など被保護情報へのアクセスが禁止されていない場面があることを指摘した。次に、本件訂正発明の「所定時間」の構成について、特許ではアクセス許可時を起点とし所定時間経過後にはアクセスが禁止されるのに対し、被告製品では最後の操作終了時が起点となり操作継続中は画面ロックされないという相違があるとした。この相違は、本件訂正発明が被保護情報の保護という観点から時間制限を設けているのに対し、被告製品は無駄な電力消費防止のために時間制限を設けているにすぎないという技術的意義の根本的な違いに起因すると判断した。以上から、被告製品は構成要件を充足せず、その余の争点(進歩性・拡大先願)を判断するまでもなく請求は理由がないとして、原判決を維持した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。