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知財

損害賠償請求事件

判決データ

事件番号
平成30ワ19441
事件名
損害賠償請求事件
裁判所
東京地方裁判所
裁判年月日
2021年1月28日
裁判官
柴田義明佐伯良子佐藤雅浩

AI概要

【事案の概要】 本件は、高圧ガス関連機器の製造販売を行う原告(株式会社旭テクノス)が、同業の被告(株式会社ニチネン)に対し、被告が製造販売するカセットこんろ(被告製品1)及び卓上グリル(被告製品2・3)が原告の有するガス器具に関する特許権(特許第2908792号)を侵害するとして、特許法102条3項に基づく損害賠償金9637万3591円及び遅延損害金の支払を求めた事案である。 本件特許の発明は、標準型ガス容器と小型ガス容器の双方を使用可能な小型ガス器具において、標準型ガス容器をセットした際に容器端部を器具本体外へ出す開口を空気導入口としても活用し、導入された空気を排出部から排出する空冷機構を備えることで、小型化に伴う熱害を防止するという技術思想に係るものである。被告は、本件特許について無効審判を請求したが、原告による訂正請求が認められて審判請求は不成立となり、その審決取消訴訟でも被告の請求は棄却されていた。 【争点】 主な争点は、(1)各被告製品が本件発明の技術的範囲に属するか(特に構成要件D「空気導入口から器具本体内へ空気を導入」及びE「排出部から排出する空冷機構」の充足性)、(2)本件特許の無効理由の有無(拡大先願違反、進歩性欠如)、(3)訂正請求の適法性、(4)訂正後発明の技術的範囲への属否、(5)損害額であった。原告は、被告製品の側面開口及び底面穴が空気導入口、カバー穴が排出部として空冷機構を構成すると主張し、温度測定実験やスモーク粒子による空気流れの可視化実験を複数回実施した。被告は、側面開口等はガス漏出時の通風口やのぞき口にすぎず、空冷機構として機能していないと反論した。 【判旨】 裁判所は、構成要件D及びEの充足性について、原告の立証が不十分であるとして、各被告製品は本件発明の技術的範囲に属するとは認められないと判断した。まず、本件発明の空冷機構は、端部開口を含む空気導入口から空気が導入されて排出部から排出され、その空気の流れによってガス容器収容部及びガス容器を冷却し熱害を防ぐものであると解した。その上で、スモーク粒子実験の結果、被告製品1では側面開口から基本的に空気が流出する方向に流れており、空気が導入される動きは一瞬にすぎないこと、被告製品2・3では側面開口とカバー穴の双方から空気が流入する場面も多く観察されたことを認定した。また、作動部とガス容器収容部の間に仕切板が一部にしか設けられていないため、作動部で熱せられた空気がカバー穴等から流出している可能性も排除できないとした。温度測定実験で開口等を塞いだ場合に1〜数度の温度上昇が見られた点についても、空冷機構以外の要因(空気流出の阻害や気化冷却の影響等)による可能性があるとして、空冷機構の存在を認定するには足りないとした。訂正後発明についても同様に判断し、その余の争点を判断するまでもなく、原告の請求をいずれも棄却した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。