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下級裁

預金返還請求事件,預金債権名義変更手続請求事件

判決データ

事件番号
平成30ワ624
事件名
預金返還請求事件,預金債権名義変更手続請求事件
裁判所
名古屋地方裁判所
裁判年月日
2021年1月28日
裁判官
近田正晴

AI概要

【事案の概要】 本件は、特定非営利活動法人(NPO法人)である原告が、安城市養護老人ホームに入所していた高齢女性A(死亡時83歳)との間で締結した死因贈与契約に基づき、Aの預金約620万円の返還等を求めた事案である。原告は、高齢者の身元保証や死後事務等を行う「家族代行サービス」を運営しており、Aとの間で身元保証契約(費用90万円)を締結するとともに、不動産を除く全財産を原告に贈与する旨の死因贈与契約を締結していた。甲事件では原告が被告信用金庫に対し預金の返還を、乙事件ではAの相続人(甥・姪)に対し預金の名義変更手続等を求めた。被告らは、本件死因贈与契約が公序良俗に違反し無効であると主張した。なお、Aは身寄りがなく、従前の身元保証人であったいとこが辞任したため、養護老人ホームの生活相談員が原告を斡旋した経緯があった。原告の代表者の夫は安城市の福祉事務所副所長であり、安城市社会福祉協議会を指導できる立場にあった。 【争点】 主な争点は、(1)本件死因贈与契約が公序良俗に違反し無効か、(2)預金の譲渡禁止特約により原告が預金を引き出せないかの2点である。特に(1)については、身元保証契約と死因贈与契約の一体性、身元保証契約の必要性の有無、契約内容の明確性・履行可能性、対価性の欠如(暴利行為)、高齢者の不安に乗じた契約締結過程の問題、原告と安城市・安城市社協との癒着構造など、多岐にわたる論点が争われた。 【判旨】 裁判所は、本件死因贈与契約は公序良俗に違反し無効であると判断し、原告の請求をいずれも棄却した。その理由として、裁判所は以下の点を総合的に考慮した。第一に、原告は身元保証契約を締結する際、ある程度の財産を有する入所者に対して死因贈与契約の締結も一体的に求めており、両契約は事実上セットであった。第二に、法令上、介護施設は身元保証人がいないことを理由に退所を求めることはできず、厚生労働省もその旨の指導を求めていたにもかかわらず、原告はそのことを認識しながら身元保証契約を締結していた。第三に、原告と安城市・安城市社協との間には癒着構造が認められた。第四に、身元保証契約の中核である身元引受について原告に履行能力がなく、契約内容も不明確であった。第五に、原告の負担した死後事務の費用は約50万円にすぎないのに、身元保証契約で90万円を受領した上、死因贈与契約で約620万円を取得しようとしており、明らかに対価性を欠く暴利行為であった。第六に、原告代表者は高齢者の不安に乗じて契約を締結させており、消費者契約法4条3項5号(施行前ではあるが公序良俗判断の重要な要素となる)に抵触する行為であった。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。