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下級裁

損害賠償請求控訴事件

判決データ

事件番号
令和1ネ3504
事件名
損害賠償請求控訴事件
裁判所
東京高等裁判所
裁判年月日
2021年1月29日
裁判種別・結果
その他
裁判官
岩井伸晃片野正樹平城恭子
原審裁判所
東京地方裁判所

AI概要

【事案の概要】 指定暴力団C会の構成団体であるD組等の構成員である被控訴人Y9を含む詐欺グループが、控訴人(高齢の独居女性)に対し、息子になりすまして現金1000万円を騙し取るいわゆる「オレオレ詐欺」(特殊詐欺)を行った事案である。控訴人は、(1)暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(暴対法)31条の2に基づき、C会の代表者等であったA(原審中に死亡)の相続人ら、C会会長Y7及び同会長代行Y8に対する損害賠償、(2)民法715条(使用者責任)に基づく損害賠償、(3)Y9に対する民法719条1項前段(共同不法行為)に基づく損害賠償を求めた。 原審は、Y9がD組等の構成員であったと推認しつつも、C会の威力を利用したとは認められず、C会の事業として詐欺を行ったとも認められないとして、Y9に対する1100万円の支払のみを認容し、C会代表者等に対する請求を棄却した。控訴人が敗訴部分を不服として控訴した。 【争点】 主な争点は、(1)Y9が詐欺行為当時D組等の構成員であったか、(2)C会の代表者等(A・Y7・Y8)が暴対法31条の2に基づく損害賠償責任を負うか(特に本件詐欺行為が「威力利用資金獲得行為」に該当するか)、(3)損害額であった。暴対法31条の2は、指定暴力団の代表者等が、所属の暴力団員による威力利用資金獲得行為について生じた損害を賠償する責任を定めた規定であり、民法715条の使用者責任における被害者側の立証負担を軽減する趣旨のものである。 【判旨】 控訴審は原判決を変更し、C会代表者等の損害賠償責任を認めた。 第一に、Y9がD組等の構成員であった点について、捜査段階から公判段階まで一貫して自身がD組等の組員であると供述していたこと、刑務所在監中にD組等構成員と養子縁組をしていたこと、自宅にC会系の名刺やノートを所持していたこと等を総合し、構成員であったとの推認を維持した。 第二に、暴対法31条の2の「威力を利用して」の解釈について、同条は被害者に対し暴力団の威力を直接「示す」ことを要件としておらず、指定暴力団に所属していることにより資金獲得活動を効果的に行うための影響力又は便益を利用する一切の場合を含むと判示した。その上で、Y9が受け子Iに対し暴力団員としての恐怖心や経済的恩義を利用して統制下に置き、受け子役を忠実に実行させていたこと、共犯者Nも暴力団員への恐怖心から指示に従っていたこと等から、本件詐欺行為は指定暴力団の威力を利用した資金獲得行為であると認定した。 損害額については、財産的損害1000万円、慰謝料100万円(財産的損害の1割)、弁護士費用110万円の合計1210万円を認容した。結論として、Y9・Y7・Y8にそれぞれ1210万円の連帯支払を命じ、Aの相続人らには各法定相続分に応じた支払を命じた。暴対法31条の2に基づき特殊詐欺について指定暴力団代表者等の損害賠償責任を認めた控訴審判決として、実務上重要な意義を有する。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。