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知財

特許権侵害行為差止等請求控訴事件

判決データ

事件番号
令和2ネ10051
事件名
特許権侵害行為差止等請求控訴事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2021年2月9日
裁判官
森義之眞鍋美穂子熊谷大輔
原審裁判所
東京地方裁判所

AI概要

【事案の概要】 本件は、「ウイルス及び治療法におけるそれらの使用」に関する特許権を有する控訴人(特許権者)が、被控訴人(アムジェン株式会社)に対し、被控訴人が腫瘍溶解性ウイルスT-VECを用いた治験(臨床試験)を日本国内で実施していることが特許権侵害に当たるとして、特許法100条1項に基づくウイルスの生産・使用・譲渡等の差止め、同条2項に基づく医薬品医療機器等法上の製造販売承認申請の差止め及びウイルスの廃棄、並びに不当利得返還請求又は不法行為に基づく損害賠償(100万円)を求めた事案である。T-VECは遺伝子組換えウイルスを用いたバイオ医薬品であり、既に米国及び欧州で承認されていたが、日本では被控訴人がブリッジング試験として第I相臨床試験を実施していた。原審(東京地裁)は控訴人の請求を棄却し、控訴人が控訴するとともに当審で請求を追加した。 【争点】 主な争点は、(1) 新薬(先発バイオ医薬品)の製造販売承認を得るための治験(臨床試験)が特許法69条1項の「試験又は研究」に該当するか、(2) 本件治験が特許権の存続期間満了前の販売を目的としたものであるか、の2点である。控訴人は、平成11年最判(後発医薬品の非臨床試験に関する判例)は新薬の臨床試験には射程が及ばず、新薬の治験を許容すると特許権者が再審査期間に基づく利益を喪失し、革新的医薬品の研究開発を阻害すると主張した。被控訴人は、製造販売承認申請に必要な試験であれば臨床試験と非臨床試験を区別する理由はなく、特許権の存続期間の実質的延長を認めるべきではないと反論した。 【判旨】 知財高裁は控訴を棄却し、当審で追加された請求もすべて棄却した。裁判所は、新薬の製造販売承認を得るために必要な治験も特許法69条1項の「試験又は研究」に該当すると判断した。その理由として、平成11年最判の趣旨は本件治験にも妥当し、製造販売承認のための試験内容の違い(臨床試験か非臨床試験か)によって結論は左右されないとした。再審査制度による利益は医薬品医療機器等法の規制による事実上の反射的利益にすぎず、これを考慮して特許権の存続期間を実質的に延長する解釈は採用できないとした。また、バイオ医薬品の開発に長期間を要する点や諸外国の法制度の相違も判断を左右しないとし、被控訴人が存続期間中に製造販売を開始する目的で治験を行っているとも認められないと判示した。本判決は、先発バイオ医薬品の治験にも試験研究の例外が適用されることを明確にした点で、医薬品特許の実務上重要な意義を有する。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。