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下級裁

危険運転致死傷|予備的訴因|過失運転致死傷被告事件

判決データ

事件番号
令和2う195
事件名
危険運転致死傷|予備的訴因|過失運転致死傷被告事件
裁判所
名古屋高等裁判所
裁判年月日
2021年2月12日
裁判官
堀内満山田順子大久保優子
原審裁判所
津地方裁判所

AI概要

【事案の概要】 被告人は、平成30年12月29日午後9時53分頃、メルセデス・ベンツを運転し、三重県津市内の片側3車線の直線道路(国道23号、法定最高速度60km/h)の第3車線を走行中、左方路外施設から中央分離帯の開口部に向かって横断してきたタクシーの右側側面に自車前部を衝突させ、タクシーの運転手1名と乗客3名を死亡させ、乗客1名に傷害を負わせた事案である。被告人は法定速度を大幅に超過する時速約146kmで走行しており、頻繁に車線変更を繰り返して他の車両の間隙を縫うように走行していた。 検察官は、主位的訴因として危険運転致死傷罪(自動車運転死傷処罰法2条2号の「進行を制御することが困難な高速度」での走行)を、予備的訴因として過失運転致死傷罪を主張した。原審は、危険運転致死傷罪の故意が認められないとして予備的訴因の過失運転致死傷罪を認め、法定刑の上限である懲役7年を言い渡した。これに対し、検察官が事実誤認を、弁護人が量刑不当をそれぞれ主張して控訴した。 【争点】 主な争点は、(1)自動車運転死傷処罰法2条2号の「進行を制御することが困難な高速度」の判断要素である「道路の状況」に他の走行車両の存在を含めることができるか(法解釈の問題)、(2)含められるとして被告人に危険運転致死傷罪の故意があったか、の2点である。原審は争点(1)を肯定し、他の走行車両も道路のカーブや駐車車両と同視できるとして「道路の状況」に含まれるとしたが、争点(2)の故意を否定した。 【判旨(量刑)】 名古屋高裁は、原審の法解釈自体を否定するという独自の判断を示した。法制審議会の議事録を詳細に検討し、立法担当者は進行制御困難性の判断に際して個々の歩行者や通行車両は考慮に入れないとの立場であったと認定した。その上で、駐車車両は静止状態にあり接触回避のための進路を想定しやすいのに対し、走行車両は移動方向・速度が不確定かつ流動的であるため、これを判断要素に含めることは類型的・客観的であるべき進行制御困難性判断にそぐわず、罪刑法定主義の明確性の原則からも相当でないとした。また、走行車両を判断要素に含めると故意の認定において過失犯の予見可能性との区別が曖昧になるおそれがあることも指摘した。 この法解釈を前提とすると、本件道路は片側3車線の直線道路であり、走行車両を除外して判断する限り被告人車両が進路から逸脱した事実は証明されていないとして、危険運転致死傷罪の成立を否定した。ただし、被告人の運転が常識的に「危険な運転」であることは明白としつつも、法2条2号の条文の文言と立法趣旨を厳格に解すべきであるとした。 量刑については、被害車両がより安全なルートを選択できたにもかかわらず幹線道路を横断したことの危険性を原審が過小評価した点は支持できないとしながらも、時速約146kmという高速度での傍若無人な走行による過失の悪質さと4名死亡・1名重傷という重大な結果に鑑み、法定刑上限の懲役7年とした原判決の量刑は正当であるとして、検察官・弁護人双方の控訴をいずれも棄却した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。